見出し画像

【旅行記】東京にでも行くか01【2021.11】

プロローグ

10月の初旬、修士論文が白紙になった。
一度はもがいてみたものの、気づいたら何もできなくなってしまった。
どうやら、うつ病を患ったらしい。

最初の1週間はほとんど何もできなかった。
一日の大半を布団の中で過ごしていた。
1週間が経ち、心配した友人に少し外に連れ出されるようになり、少しずつではあるが徐々にできることが増えるようになった。
さすがに、『このままではマズい』と思い、重い体を動かしてカウンセリングに通い、責任感をエネルギーにアルバイトのシフトをこなした。

何もできなくなってから1か月が経った頃、学科長に相談をしに行った。
この1か月の間の出来事とこれからどのようにしたいかを、ありのまま伝えた。
学科長から

『研究室をどうするかはまた今度にしよう。とりあえず、
1か月くらい大学とかと距離を置いて、心身の回復に専念しな。』

と伝えられた。
この言葉でだいぶ気が楽になった。
大学のことを考えないようにするため、まず大学用と就活用のメールをスマホから削除した。研究室関連のLINEも非通知にした。
しかし実家にいてはどうしても大学のことが頭をよぎる。
ならば、旅に出ようと思った。

とりあえず、貯めに貯めた行きたいところリストを引っ張り出してみる。
リストを眺めていると目に留まったのは、当時国立科学博物館で開催されていた、『木組 分解してみました』という企画展だ。
こんな時でも、建築関係の展示が目に留まるとは、自分はかなり建築のことが好きなようだ。

この企画展、2021年11月24日までの開催だったので、急いでカレンダーを確認をする。
東京で行きたいところはたくさんあったが、アルバイトやらなんやらで2日間しか取れない。
また行けばいいかと思い、東京へ行くことを決めた。


14:45 自宅にて

予定日前日、アルバイトを終え家に帰る。
時刻は、15時を過ぎようとしていた。
自分の悪い癖であるが、一人旅の時は予定は全然考えておらず、荷物の準備も特にしていない。ホテルの予約もしていないこともよくある。

いつもは旅に出たときの食事は気にしないが、今回はいいものが食べたい!と思い、行きたいところリストを眺める。
目に留まったのは、『とんかつ丸七』というお店だ。前々から気になっていた店だ

とんかつが好きな自分としては、これは行くしかないと思い、ここを第2の目的地とした。
TwitterInstagramで噂には聞いていたが、現在はお店で食べようと思うと予約が必要になるらしい。
しかも、予約受付が店頭のみで、だいたい朝七時ごろから始まり、早いと30分程度で埋まるという。

名古屋から始発の新幹線に乗っても、到着は8時半を超えそうだ。
予約が埋まっているかもしれない、ならば前入りするかと思いつき急いで支度を始める。

準備を終えて、家を出発した。
時刻は18時になろうとしていた。


18:30 名古屋駅

名古屋駅に到着し、急いでみどりの窓口へ向かう。
19:06 発の新幹線の切符を買い、急いで駅弁を購入し、新幹線のホームへ向かう。

久しぶりに新幹線!

大学生になってから東京へは何度も足を運んでいるが、新幹線に乗ったのは大学受験のとき以来だ。
新幹線の快適さを味わいつつ、駅弁を食した。
駅弁とはなぜあそこまで魅力的なのだろうか。
やはり、目的地に向かいながら食べるという非日常的な体験がスパイスとなっているのだろうか。

駅弁を食べ終え、今夜の宿を探す。
行きたいところリストには、旅館やホテルもたくさんある。
その中から、今夜の予約を取れるところを探す。
30分ほど、ネットサーフィンをし今夜の宿泊先も決まった。

しかし、東京駅についてすぐに宿に向かうのはもったいない。
東京駅周辺の建築スポットを探す。

すぐそばに東京国際フォーラムがある様なので、東京駅の写真でも撮ってから向かうことにした。


21:00 東京駅丸の内駅舎

大学受験ぶりに東京駅のホームに降りた。
どう進めば丸の内駅前広場に着くのかは、もちろんわからないので、適当に近くの階段を降りる。
どうやら日本橋口に出てしまったらしい。
地図を探して、丸の内駅前広場へ向かう。
途中見つけたガード下の飲み屋がどこか魅力的に映った。

ガード下の飲み屋街 オープンテラスみたいになっているのもよい

東京駅にもこんな場所があるのかと思いながら、広場へ向かった。

東京駅丸の内駅舎

初めてその姿を見た。
3階建て・全長335mのレンガ造の建築物にただただ圧倒された。
設計したのは、辰野金吾
日本最初の建築家の1人だ。
この駅舎にも見られる、赤レンガに花崗岩で白いラインを描き、屋根に塔や小屋を設置した独自の『辰野式建築』と呼ばれるデザインを生み出した。

1914年に完成し、1945年の東京大空襲で大きく焼けてしまったものの、1925年の関東大震災ではビクともしなかったという。
その設計の頑丈さから『辰野堅固』とも呼ばれたとか。

せっかくなら高いところからも見たいと思い、『KITTEガーデン』へ急いで向かった。

KITTE 丸の内

到着したときには21時を過ぎていた。

KITTEガーデンから東京駅を眺める

残念ながら東京駅のライトアップが終わってしまった…
ライトアップが終わっては特にやることもないので、東京国際フォーラムへ向かうことにした。

ちなみに、KITTE  丸の内は隈研吾が内装の設計を担当したらしい。

21:45 三菱一号館

三菱一号館美術館

東京国際フォーラムに向かう途中、三菱一号館に遭遇した。
設計者はイギリス人建築家のジョサイア・コンドル、開国間もない日本政府が招へいしたお雇い外国人の1人であり、辰野金吾師匠にあたる人物だ。

建物は19世紀後半にイギリスで流行ったクイーン・アン様式となっている。
一度は老朽化のため解体されたが、2009年に復元された。
もともとは事務所建築であったが、現在は美術館となっている。

この日は、時間も遅く閉まっていたが、また訪れて建物内の見学をしたい。
三菱一号館を横目に、東京国際フォーラムへと向かった。

21:50 東京国際フォーラム

ガラス棟を下から見上げる

中に入ってすぐに強烈なパンチを喰らった。
骨格標本のような構造体に圧倒された。
これは、絶対に見た方が良いと思ってしまった。
自分の好みにドンピシャだった。

しばらくは天井を眺めていた。
はたから見たら、ずいぶんと変なやつに見られていただろう。

天井を眺め終えてからは、ひたすらに建物内を歩き回り、写真を撮ったりしていた。
気づけば着いてから、30分が経とうとしていた。

屋根構造 白いキールアーチが美しい
アトリウム内のガラススロープ
ガラス棟を上から見下ろす

このような構造体がデザインにも表れている作品が大好きだ。
建築を知らない人にもぜひ一度訪れていただきたい。

東京国際フォーラムを堪能したところで、今夜の宿へと向かう。

今回は、このへんで


↓ 続きはこちら ↓


フォローよろしくお願いします。
TwitterInstagramもやっています!


この記事が参加している募集

旅のフォトアルバム

サポート大歓迎です! いただいたサポートは勉強やスキルアップなどクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!