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【4週目】 今週、社内で話題になった事例。

こんにちは、株式会社アーキロイドの津久井です。

この連載も4週目になりました。(なんの節目でもありませんが)
”週刊連載というのは大変だ。漫画家はこれとは、質/量ともに比べ物にならないモノを、毎週出し続けているのか。人間じゃないな。”
なんて思ったりしています。今週は事例数が少なめですが、それとこれとは別に関係ありませんよ。さぁ行ってみよう。

【事例1】toMap beta

【概要】
 toMapは3D都市モデルのプラットフォーム型サービス。ユーザーが持っているGISデータを3D都市モデルと連携し、WEB上に表示、データ形式の変換、グラフ表示などが可能でだそうです。官公庁、自治体、事業会社、大学、研究機関と、ターゲットが幅広のも特徴の1つでしょう。

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▲構成イメージ ©toMap

 具体事例も見てみましょう。1つ目は今年の7月3日に起こった静岡県熱海市の土石流現場。

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▲土砂災害前のLPデータ。筆者もアクセスしてみました。

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▲土砂災害後のドローンALB計測データ(オリジナルデータ)

 2つ目は「3D都市モデル、PLATEAU(プラトー)で遊ぼう!」

【アーキロイドポイント】
 上記2つ目の具体事例では、国土交通省が主導する日本全国の3D都市モデルの整備・活用・オープンデータ化プロジェクト「PLATEAU」を、toMap上で利用しています。Digital Twin、メタバースと呼ばれる概念の実現に向けて日本の最前線を走っているPJの1つと言えるでしょう。この事例集連載1週目でも「スペースデータ」を紹介したように、当社内ではこの領域との親和性、接続可能性を日々議論しています。
 少し掘り下げると、当社が提供しているarchiroid.comは、情報社会の今日だからこそ実現できるバーチャルな住宅設計手法と言えます。本来、住宅は単体で設計可能なものではなく、敷地のある周辺の環境(近隣の建物、土地の特徴、法律などあらゆる物事)と相互に関係しあって設計されていきます。バーチャルな住宅設計を真に実現するには、バーチャルに現実世界と同じような環境を作り上げる必要があります。目指す先の世界をこうして広げてくれている人達がいることに、刺激を受けるとともに、いずれその恩恵を受けかもしれない身としては、大きく期待しています。

▲PLATEAUの動画。かっこいい。

【事例2】バレンシアガ✕フォートナイト

【概要】
 バレンシアガが、フォートナイトに参戦する初のハイファッションブランドに決定し、すでにリリースされました。バレンシアガが選んだ現実世界の衣服の素晴らしい品質を、フォートナイトの世界で再現するというゴールの達成のために、様々な専門性を持つアーティストによって、ビジュアルが作られたそうです。ユーザーができる消費行動は3っ。
①ゲーム内のバレンシアガショップで、バーチャルな洋服を購入し、アンロックしてキャラクターに着せること。
②ゲーム内のバレンシアガショップで、リアルな服を購入すること。(EC)
③現実のバレンシアガショップで購入した洋服を、ゲーム内でアンロックしてキャラクターに着せること。

【アーキロイドポイント】
 他ブランドとのコラボや、服飾に限ずに多岐にわたる商品を展開するハイブランドは多くありますが、このタッグはそれらとは全く違った衝撃ですね。実物を作るコラボであれば、何より世界観を重視するブランドサイドが、クオリティコントロール含めディレクションして行けると思います。しかし、ゲームとなるとそこがかなりのハードルになることは想像に難くありません。そしてこれが実現しているということは、そのハードルを超えられているということです。archiroid.com上に、あらゆる建築家がこぞってハイクオリティの構法や仕様を提供する日が来たら面白いね、とよくディスカッションしていますが、それに近いことが起きている!と、ワクワクしました。
 また、ゲーム内での消費行動と、現実世界での消費行動がリンクしていることも驚きです。これまで、現実の都市をバーチャルに持ってくる事例は沢山紹介してきましたが、ユーザーの取得した所有物が2つの世界を跨いでいる例は初めて紹介します。ゲーム内のスキン販売にハイブランドが参戦した、ということ以上の衝撃でした。

【事例3】スマホで買える「NOT A HOTEL」40億円分をネット販売開始へ、8.5億円の調達も完了

【概要】
 サイトオープン以来注目を集めていたホテルブランドの開発・運営を手掛けるNOT A HOTEL。フラッグシップとなる那須「NOT A HOTEL NASU」と宮崎「NOT A HOTEL AOSHIMA」の物件権利販売を開始しました。物件は、1ヶ月単位からの「シェア買い」ができる他、1棟をまるごと12ヶ月分購入することも可能。NOT A HOTELは、アプリを通じて自宅かホテルかを切り替える事ができるホテル兼住宅物件。

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那須の物件はなんと、8億3,760万円。

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▲購入した場合のホテル運営の年間想定収支も見れます。

【アーキロイドポイント】
 アドレスホッパー向けの全国住み放題サービスADDressや、ホテルのサブスクサービスHafHなど、移動を前提としたサービスが増加していますね。一方で、NOT A HOTELのようなホテル兼所有物件というあり方自体は、新しいものではありません。会員制リゾートや、高級ホテルの客室所有などと類似する形態である、というのが筆者の理解です。それらに比べて新しいのは、物件の圧倒的な豪華さ(広い戸建て別荘、一点物のスタイリング、唯一無二性)と、アプリによる徹底したオンライン管理という点でしょうか。
 住居・別荘・ホテルの所有形態、利用形態の多様化、サブスク化といった動きはこの1年ほどのトレンドと言って良いでしょう。TECTURE MAGでも特集されているように、いくつかのサービスが立て続けに発表されています。自宅と旅行中の宿泊先、日常と非日常(旅)。これらは対極に2値化しているわけではなく、もっと連続的な点があり、その1点1点にこうしたサービスがあるのでしょう。徐々に両極にある偏りが慣らされていき、数十年後にはほとんどの人が固定の拠点を持たずに生活しているなんてこともあるかもしれません。
 本事例集連載では度々、暮らし・住まい方の多様化というキーワードを出しています。拠点のあり方、物件の所有のあり方も、暮らし・住まい方に含まれる重要なファクターです。こうした事例たちが社会にフィットしていくのかを含めて、引き続きウォッチしていきたいと思います。もしNOT A HOTEL購入した人がいたら、一度連れていってください。(最小価格は140平米の物件で1カ月単位の価格は2580万円から。)

【事例4】ムーンショット型研究開発事業

【概要】

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▲ 内閣府資料より。拡大版はこちらのリンクより。

【アーキロイドポイント】
 「国策として」という言葉が事の重大さを物語っています。ちょうど今日、東大が600億円規模のスタートアップ向けファンドを設けるというニュースも出ていましたし、研究開発、イノベーション創出に対する投資、期待、そして危機感は、非常に大きなものを感じます。当社もこれまで研究開発にあたり、小さなものですがいくつか有審査の助成事業にお世話になってきましたので、全く無関係ということはありません。こういった大きな流れは引き続きチェックしていきます。

【事例5】アーキロイドで自宅を再現してみよう

 アーキロイドのnote初投稿から早3週間。ずっとこの「今週、社内で~」連載だけをお届けしてきました。
 そんな中、今週、ついに、皆さま待望の企画noteが掲載されました。当社が提供しているarchiroid.comを使った記事になっております。
 【概要】も【アーキロイドポイント】もありません。宣伝です。読んでください、とても面白いです。この記事に「スキ」をしてから読みに行ってください。あわよくばSNSで広めてください。

来週もどうぞよろしくお願いします!


「今週、社内で話題になった事例」 について
株式会社アーキロイドの社内で話題になった事例(ニュース、リリース、書籍、動画、論文などなど)のうち、いくつかをご紹介します。元記事の配信時期は必ずしも今週とは限りません。数ヶ月前、数年前のものもあるかもしれません。

社外にこれを発信することで、
①アーキロイドメンバーが日々どのようなことに目を向けているのか、を知ってもらいたい。
②せっかく読んでもらえるなら有益な情報をお届けするために、自分たちの情報感度をもっと高めていきたい。
という目論見があります。

メンバーも大半が30代に差し掛かってきたので、備忘録という意味合いが一番強いかも。ご笑覧ください。

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