見出し画像

タピオカの次は「中国茶」?楽しみ方と「映えポイント」を解説!

ここ数年世の中がタピオカドリンクに夢中になっている裏で、「中国茶」という飲み物がじわじわと人気を集めていたのをご存知でしょうか?

あまりこの言葉にピンとこない方も多いと思いますが、日本のお茶とどこか似ているけど違うその味合いや奥深さ、各種の茶器がおりなすオリエンタルな趣に「萌え」や「映え」を見出す人が増えているんだとか。

この記事では中国茶とは何かという基本的な知識とともに、いろいろな楽しみ方をご紹介していきます。 

「中国茶」とは

中国茶の大まかな種類

中国茶には大変多くの商品がありますが、実は大きく6つのタイプに分けることができます。緑茶から始まり、発酵の度合いが大きいほど色が濃くなっていくのです。

緑茶(無発酵) ⇒ 白茶(弱発酵) ⇒ 黄茶(弱後発酵) ⇒ 青茶(半発酵) ⇒ 紅茶(完全
発酵) ⇒ 黒茶(後発酵)

1.  緑茶
日本茶の代表格である緑茶。実は中国茶の大部分も緑茶が占めています。やはり、無発酵のお茶は癖がなく、あらゆる国で好まれると言えるのではないでしょうか。

しかし、中国茶としての緑茶を飲むと、やはり日本のものとは味が異なります。これは、発酵を進行させないために使う熱の発生方法が異なっているからです。浙江省杭州産の「龍井」は有名ですね。

龍井の茶葉 百度百科より

2.  白茶 
ほんの少し発酵を進めたタイプの白茶は、マイナーな中国茶の代表格。福建省産が多く、緑茶が少し白みを帯びたような神秘的な外観であり、代表的な「白毫銀針」はお湯以外に冷たい水でもお茶がいただけます。

3.  黄茶
上の白茶製造の工程に「悶黄」という工程を加えて黄色っぽく茶葉を仕上げたのが黄茶。より希少なお茶であるものの、産地自体は中国全土に広がっています。安徽省霍山県産の有名な「霍山黃芽」は、皇帝への献上品としても重宝された高級茶とも呼べるものです。

4.  青茶
外国人から見ると、中国茶の代表格とも思えるのがこの青茶。緑茶に続いて中国人にも多く飲まれています。代表的なものが「烏龍茶(ウーロン茶)」ですが、その中でも福建省で有名な「鉄観音」、そして台湾に行けば「高山」「阿里山」もあり、いろんな国で飲まれている中国茶のタイプでしょう。

鉄観音茶 百度百科より

5.  紅茶
日本人にもお馴染みのお茶。酵素発酵を限りなく進めており、伝統的に欧米人に好まれるタイプのお茶となります。また、中国国内で生産された紅茶もそのほとんどは欧米向けに輸出されているのです。ちなみに、紅茶は英語で「black tea」と呼びますが、これは茶葉に由来しているそう。ちょっと混乱していまいます。

6.黒茶 
酵素ではなく、微生物等を活用して進められた「後発酵」方式によるお茶のタイプで、中国茶では「普洱茶(プーアル茶)」が代表的なものです。長期熟成すればするほど味わい深くなり、お茶版のワインと言ったところでしょうか。 

普洱茶 百科百科より

重要なコミュニケーション・ツール

中国茶と聞くと「飲茶」を想像する方もおられるかと思います。広東語的にお茶を飲むこと自体を指しますが、本来の意味合いは、【お茶請け(点心)も一緒に食べながら、家族や仲間とコミュニケーションを取るプロセス全体】について表すものであり、言ってみれば「饮茶」という言葉で総合的なコミュニケーション行為であることを上手く代弁させているわけです。

つまり、中国茶とは、お互いのコミュニケーションを円滑にしてくれる重要なツールであることから、これまで中国全体でさまざまな種類のお茶が多く生み出されてきたと言えます。中国茶の持つ本当の奥深さは、まさにこの点にあるのでしょう。

この記事をご覧の方は下記の中国語関連の記事やサービスもおすすめです。

中国茶を淹れる茶器のいろいろ 

中国茶では「工夫茶(功夫茶)」と呼ばれるお茶の入れ方が良く注目されます。これには茶器を上手に使い分け、限りなく良い状態のお茶を飲ませる志が含まれているのです。

「工夫茶」で使用する7つのメジャーな茶器


工夫茶器の例 百科百科より

① 茶盤(茶道具一式を載せる土台。お湯捨てにも使われます。)
② 茶荷(茶葉を一時的に保存しておく容器。)
③ 茶壷(実際に茶葉を入れてお茶を作るミニ急須。)
④ 茶海(茶壷で作ったお茶の濃さを全体で整えるための一時的に移す容器。)
⑤ 茶漏(茶海にお茶を移す際に同時使用する茶漉し。)
⑥ 聞香杯(お茶の香りを保って楽しむための一時的保存容器。)
⑦ 茶杯(聞香杯に被せてひっくり返して、最終的にお茶を移す小さな湯飲み。) 

茶器を上手く使うことでお茶がより美味しく 

このような茶器の使い方について、中国茶道として教える方もいらっしゃいますが、それと同時に上手に使うことでお茶が美味しく飲めるという点も覚えておきたいものです。

これは、どんなに良い茶器を持っていたとしても、使い方やその順序にこだわらなければ安定した良い味を出せないということを意味しており、長時間飽きを感じずにお茶を飲み続けられる真髄がここにあるのです。

中国茶をお店で楽しむ

日本でも楽しめる多くの中国茶のお店

中国茶を提供してくれるお店は、日本全国に数多く存在しています。愛好家おすすめのお店も存在しており、中国茶店のほとんどで、茶葉も購入することができます。独自ノウハウによりブレンドを進めているお店も多く、中国などの生産業者と提携しているお店もあるでしょう。

また、すでにご紹介した工夫茶に使う各種茶器を購入できるお店もあるので、お近くのお店でチェックしてみてください。

お茶を嗜む雰囲気も重要なSNSニーズ

お店で中国茶を楽しんでいると、どうしてもSNSで紹介したくなるもの。多くのお店がそれを可能とする雰囲気を持ち合わせているので、自分なりの中国茶の嗜みをフォロワーに伝えてみましょう。

工夫茶の流れはSNSニーズも意外に高く、特に「萌え」を期待するだけでなく、絵的な「映え」ポイントが豊富にありますので、SNSユーザーは絶対にチャレンジしてみたいジャンルなのです。

お店に行けばこんなステキな茶器にも出会えるかも? 百科百科より

この記事をご覧の方は下記の中国語関連の記事やサービスもおすすめです。

中国茶を自宅で楽しむ

自宅にあるものを活用して中国茶を楽しむ 

お店でしか楽しめないと思われがちな中国茶。いえ、決してそのようなことはありません。日本茶を飲む方であれば、毎日使う急須でも大丈夫です。

そして、一回り大きめの日本酒用「おちょこ」も使ってみましょう。工夫茶で使われる茶杯と比べてもサイズ感もしっくりきますし、まずお茶も冷まさずにすっと飲めるのが大きなメリットになります。

マイ茶室や茶スペースを作るのもおすすめ 

何せ、お茶は人を呼ぶに相応しいツールですので、自宅で中国茶形式にていつも飲んでいる日本茶や紅茶を使った茶会を開くのは大変良いアイデアになります。

そんな時、部屋の片隅に小さな茶室や茶スペースを設けるのも一興です。自宅の広さに応じてDIYでスペースを構築してみましょう。日本茶道のように畳に長時間直座りになると腰が痛くなることから、お茶飲みに最適な低めの専用椅子もDIYで作ってみるのも面白いのです。

憧れの中国式茶室? 百科百科より

まとめ

日本も中国もお茶に関する奥深さは変わりがないようで、ある意味人間は、お茶に心を奪われているのかもしれません。

中国茶と聞くと敷居の高いイメージもありますが、本来は自分なりの飲み方で進めるのが茶道の心であるはずです。いろんなお茶と向き合いながら、心から自分を見つめ直してみるのも良いでしょう。