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バスケットボールでつながったひと夏の思い出

皆さん、こんにちは。
Arch to Hoop 沖縄 の事務局担当の繁田です。
今回は、8月に実施したイベント参加活動をご紹介いたします。

プロの技を子どもたちが一緒に体験!

「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」を機にバスケ熱が最高潮に達した沖縄では、8月23日から9月2日にかけて沖縄のさまざまなエリアをラッピングバスで訪れ、多様なバスケットボールを地元の子どもたちに届ける「PICK UP PLAYGROUND SUMMER CAMP OKINAWA 2023」(主催:一般社団法人ピックアッププレイグラウンド)が開催されました。この初日をArch to Hoopが飾りました!

今回も7月のイベント同様に、NPO法人沖縄青少年自立援助センターちゅらゆい、一般社団法人みんなのももやま子ども食堂、沖縄県就学援助児童支援NPO法人エンカレッジの3つの団体に所属する子どもたちが参加しました。

当日はいつものように3x3のコートを自分たちの手で設置&撤去をして実際にプレーもしたのですが、今回のメインイベントは、プロフリースタイルバスケットボーラー・BUG!? (バグ)さんのフリースタイルバスケット体験や、“バスケットボールの家庭教師”として数々の体験教室や日本代表のアシスタントコーチなどを務める株式会社ERUTLUC(エルトラック)代表・鈴木良和さんによるクリニックの2つ。どちらも子どもたちにとって楽しく、スペシャルな体験になりました。以下のダイジェスト動画をご覧ください。

“イベント皆勤賞”の若者が回数を追うごとに急成長!

7月のイベントに続き、8月も3団体の子どもたちが数多く参加しました。そのため、子どもたちも2回目、3回目の参加という人も多く、子どもたちの成長がよく見られたのもうれしい発見でした。

特に顕著な成長が見られたのは、NPO法人ちゅらゆいのグループ「若者の居場所コミュっと!」に所属する若者でした(ちなみに、この若者は4月のプレイベントから3回連続出席の皆勤賞!)。

4月のイベントではミーティングや企画に誘われても「メリットがない」と素っ気ない反応だったのが、7月のイベントではみんなと一緒にバスで移動して、準備の段階でもスタッフと混じってボランティアにも参加するようになっていました。ちゅらゆい事務局の屋部さんによると、「以前の彼の性格ではうまく調整できない問題が出てくると『もういいよ!』と投げやりになったり、怒りをぶつけたりしそうなシーンもありましたが、そんな場面でもグッとこらえて、どうやったらその問題を解決できるのかをスタッフと一緒に一生懸命考える姿がとても印象的でした」と感慨深げに振り返りました。

また、コミュっと!のスタッフも彼の成長ぶりに触れて、「バスに乗って遠出ができるようになった、会議の場でメモを取るようになった、大勢の場で発言できるようになったなど、変化や成長だけではなく、普段気づけていなかった一面にも気づくことができていました」と、子どもたちの大きな成長も目の当たりにできました。

このように、バスケイベントを通じて成長する子ども・若者のエピソードを今後も紹介していきます。

ボールが身体の一部になったようなBUG!?さんの技を子どもたちも習得!

コート設営が終わると、BUG!?さんによるフリースタイルバスケットの体験が始まりました。BUG!?さんといえば、ピエロのお面がトレードマーク。会場となった石川体育館にBUG!?さんが登場すると、一気に子どもたちが周りに集まりました。

フリースタイルバスケットはバスケットボールと音楽&ダンスを融合させた表現を競うスポーツで、ただボールを持って踊るだけでなく、ドリブルやボールハンドリング、アクロバットなパフォーマンスも表現に取り入れたエンタテインメント性の高い競技として、若者を中心に全世界で人気を博しています。
BUG!?さんは、フリースタイルバスケットで最も歴史と名誉ある大会「WFBA FREESTYLE BASKETBALL BATTLE JAPAN CHAMPIONSHIP」で史上最多となる3度の優勝を飾った実績を持つ、世界的なトッププレーヤーです。“世界を魅了する”トップレベルの技に子どもたちは目をキラキラさせて、一気に引き込まれてしまいました。

BUG!?さんは子どもたちでもできるフリースタイルバスケットの技を披露。まずはお手本を示して、その後、チャレンジする子どもたちの練習にもやさしく付き添う姿がとても印象的でした。

BUG!?さんのやさしい指導のもと、徐々に技を自分のものにしていく子どもたち。クリニックが終わってからも、体育館に残って一緒にバスケットを楽しんだBUG!?さんを子どもたちが取り囲んで、習得した技を積極的に披露し合うシーンも見られました(事務局メンバーとして、こんな瞬間に出合えることが、何よりも幸せです)。

バスケットの技術だけでなくチーム力やコミュニケーション力UPも見据えたクリニック

午後のイベントは、鈴木さんのクリニックで幕開け。子どもたち向けの数々のクリニックを行っているだけあって、子どもたちに興味を持ってもらえる仕掛けがたっぷり。
まずは3、4人でチームをつくり、身体をほぐす運動からスタート。ただ、目的は身体をほぐすだけでなく、チームで連携しないとクリアできず、そのスピードも競わせることで盛り上がりをつくることも忘れません。チーム分けも3つの団体をバラバラにして組み合わせたことで、他団体の子どもたちとの交流も深めることができました。

ボールを使うプログラムと使わないプログラムを組み合わせたクリニックでしたが、どのプログラムも子どもたちのチーム力や交流スキルを向上させるものばかりで、チームスポーツの良さがたくさん盛り込まれた時間となりました。事務局としても勉強になる、学びの多いご指導法でした(どうもありがとうございました)!

BUG!?さん&鈴木さんがこのイベントにかけた“想い”

クリニックの後は、いつものようにコートで3×3のゲームで大盛り上がり。BUG!?さんや鈴木さんもチームに加わり、大人たちのトップレベルのゲームにも子どもたちは刺激を受けていました。

1日のイベントを終えて、子どもたちの成長や満足感がヒシヒシと伝わってきました。そして、今回はBUG!?と鈴木さんのお2人をゲストとしてお招きし、バスケットを通じて子ども・若者たちと向き合っていただきましたが、こちらの想定以上に、お2人はこのイベントへの“想い”を強く持っていただいておりました。当日の振り返り会でいただいたお2人のコメントを紹介させてください。

BUG!?さんより

「僕も子どもの頃、今日の子たちと同じような境遇でした。事前に子どもたちのことをいろいろと聞かせていただき、『こうやったら子どもたちが楽しめるかな』とか『こういうことを伝えたら彼らがもっと楽しい人生を歩めるかな』といろいろと考えて自分なりに準備をして臨みました。今回のイベントに共感できたからこそ、僕の持ち時間以外の時間も子どもたちと過ごさせていただき、子どもたちが喜んでくれたことがすごく嬉しかったです。子どもたちも僕のInstagramをフォローしてくれたので、これからは僕自身の夢をかなえてSNSを通して活躍を見せながら、彼らのことを励ましていきたいと思います。こんなチャンスを与えてくれて、本当にありがとうございます」

鈴木良和さんより

「今回のイベントは僕にとってかけがえのない貴重な機会となりました。僕にとって、スポーツに何ができるのか、スポーツの指導者は何が提供できるのかをあらためて突き詰めることができる時間でした。バスケ選手というわけでもなく、技術がうまくなりたいというわけでもなく、ただただその空間にみんなで集まって、人と人とが交流するきっかけとしてのスポーツ。そこにスポーツの本質のようなものを感じました。
こちらが価値を押し付けるのではなく、こちらが押し付けがましく教える(与える)のでもなく、子どもたちそれぞれが感じたことに価値があるのではないかと思えたことが発見でした。
スポーツのポテンシャルを感じられた、素晴らしい1日でした。楽しかったです!素晴らしい機会をありがとうございました!」

スポーツが子どもたちを変えていることを実感

今回のイベントの様子を、「PICK UP PLAYGROUND SUMMER CAMP OKINAWA 2023」の主催者でもあるバスケットボールのカルチャーマガジン「FLY Magazine」さんに取り上げていただきました。
同誌の編集長である秋元さんは4月にArch to Hoopが行ったプレイベントにも参加していただき、今回、4カ月ぶりに子どもたちと再会しました。その中で子どもたちの成長を実感されて、「『スポーツが人生を変える』ではないけれど、少しそれが形になっているのがうれしかった」とArch to Hoopの活動を評価していただきました(どうもありがとうございます)!


最後に、「PICK UP PLAYGROUND SUMMER CAMP OKINAWA 2023」に参加いただいた子どもたちの成長をこれから願うとともに、今回のご縁を大事にして、これからもバスケットボールというチームスポーツの持つ力を信じて、子ども・若者たちと向き合っていきます。本活動にご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。
ぜひ一緒に盛り上げていきましょう!!

次回は、11月に実施した新たな取り組みについてご紹介する予定です。
これからも、Arch to Hoop沖縄|公式noteをよろしくお願いします。

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<プロフィール>
繁田謙(一般社団法人 Arch to Hoop 沖縄 事務局 スタッフ)
神奈川県横浜市出身。2010年に仕事の関係で神奈川から沖縄に移住。出版社勤務を経て、現在は貿易業務を行う地域商社・株式会社萌す(きざす)に所属。萌すにてArch to Hoop沖縄の事務局を運営している。

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