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“非日常から日常へ”、あちふーの活動で変わった子どもたちと大人たち

皆さん、こんにちは。
Arch to Hoop沖縄の事務局担当・繁田です。

今回は、2023年度、Arch to Hoop沖縄の活動にかかわっていただいた、子どもたちのための施設(連携施設)をご紹介いたします。


子どもたちの変化こそ非日常と日常が連動していくことの効果

まずは、当団体の理事・金城隆一が代表理事を務め、Arch to Hoop沖縄の設立時から参画いただいているNPO法人沖縄青少年自立援助センター ちゅらゆいです。

ちゅらゆいはこども・若者の居場所づくりを中心に活動する団体。この4月に分社化しましたが(4月〜うるま市の事業所は一般社団法人URUFULLが運営)、もともとは那覇市とうるま市で那覇kukulu、コミュッと!、うるまkukulu、b&gからふる田場の4つの子ども・若者の居場所を運営しておりました。

ちゅらゆいの子どもたちにはスタートとなる4月のイベントから深くかかわっていただきました。ちゅらゆいの屋部千明(やぶ・ちあき)さんは、「はじめは大人も子どもも手探りでしたが、回を重ねるごとにお互いを知り、徐々に『また会いたいな』と自然と話題に出てきて、次を楽しみにする姿が見られるようになりました」と振り返ります。

特に、7月沖縄アリーナでのイベントで任意参加の最終日に参加したメンバーは、それ以降の全ての活動に参加しています。「所属や年齢に関係なく打ち解けて、それぞれ役割を担うようになっていく様子がとても印象的でした。会場の設営と片付けという裏方仕事があるあちふー(Arch to Hoop)の活動では本当に重要な役割を果たしていると感じています。複数回参加している子が初参加で戸惑う子に教えたり、状況を理解して恐る恐るやっていた子が徐々に顔つきが変わっていく様子を見ていると、できあがったコートで遊ぶこと以上に得るものがあり、大人と子どもが対等に『場』をつくることを体感できました」と、参画する意義を感じていただいています。

屋部さんはこれまでかかわってきた子ども・若者たちの中で、特に、コミュッと!に所属するYさんの変化を感じています。「Yさんを何かの活動に誘うとき『それバイト?お金もらえるの?』が口癖でした。元々バスケットは大好きなので、格好いい道具の1つ1つを見てテンションが上がったり、興味は持ったりしたものの、その時点ではまだ『場所が遠い』『送迎ある?』など、受け身な参加姿勢でした。

でも、『ありがとう』『力仕事の人手がいて助かった』『バスケうまいね』とあちふー関係者の皆さんが仲間として自然に受け入れてくれたことで、次第に、『送迎がなくても公共バスを使ってみる』『ミーティングに出るために作業を早く終わらせる』『ボランティアでも行きたい』というような、自らの意思で参加する主体的な姿勢に変わっていきました。

イベントの際には、施設スタッフに対して片付け作業のための居残りや休日参加を交渉する姿も見られるようになったのがとても印象的でしたね。彼にあちふーの活動で何が一番の魅力なのかを聞いたところ、『クタクタになった後、最後の力を振り絞って残ったメンバーでやる片付けが一番気持ちいい』と話していたのはとても驚きました。

新しい経験に積極的になれない彼らの背景を理解し向き合ってくださった、勝田さんをはじめとするあちふー関係者の皆さんの寛容さと、成長を後押ししてくれた現場スタッフの伴走が彼らの力を引き出し、非日常と日常が連動していくとこんなことができるんだと改めて感じました」と笑顔を見せていました。

屋部さんにArch to Hoopの活動について聞きました。「『みんなでつくって、みんなで遊んで、みんなで片づける』という一連の流れが、仲間意識やそれぞれの役割、大人と子どもが対等に場をつくるということを実感できる活動だと思います。『次は〇〇やりたい』『あの子も参加させたい』『また会いたい』と思える仲間ができたこと、それが大人も子どもも普段の生活では出会うことがなかった人たちだということにとても意味があると感じています。
ともすると大人の意図が働いて、たくさんの子がこれだけ参加しました、という形になりそうなところを、少数の芽が出た子どもたちにあちふー関係者の皆さんが向き合ってくださったことにとても感謝しています」と嬉しいコメントもいただきました。

子どもたちから『一緒に活動に取り組みたい』という意思が感じられました

続いては、子どもがこども時代をこどもとして過ごせる居場所を目指して活動する「みんなのももやま子ども食堂」さんです。

Arch to Hoopのイベントには合計3回参加。その中で理事・事務局長の菅原耕太(すがわら・こうた)さんは、「この活動の運営をすることで“自分の居場所がある”と感じている子がいたように感じます。1回目の時は『私もやってみたい』『私も混ぜて―』的な参加だったのが、2回目には、『私も役に立てた』『あの人と一緒にできて良かった』など、やりがいを感じた参加となり、3回目には、はじめからスタッフの一員のように馴染んでおり、自分の役割を担っていく過程がこのイベントを通して感じられました。
『ただそこに居たい』というだけではなく、『一緒に活動に取り組みたい』という意思が感じられました。回数を重ねるごとに団結力が芽生え、体験を何度も繰り返す重要性を感じました」と活動を振り返りました。

Arch to Hoopの活動では子どもたちだけでなく、スタッフである大人たちにも変化が。「イベントで子どもたちと企画に取り組み、それを最後までやり遂げる達成感。日々の活動の中で企画〜実行に至る過程の大切さは私としても気づけた部分であり、今後の活動に生かせることを学べたと感じています」と意義を感じていただいています。

最後に「若者世代の課題として、他者とつながりにくい、コミュニケーション方法が分からないなどが挙げられます。そうした若者の活躍できる場所づくり、若者の職場体験的なかかわりなどもあると面白いと思っています。子どもたちが普段出会わない大人の人たちとかかわれるという点、他の地域に住む子ども同士の交流の場としても、今後もArch to Hoopに参加したいです」とメッセージを寄せていただきました。ありがとうございます。

“心の成長”だけでなく、“学力の向上”にもつながっています

3つ目の団体は「NPO法人エンカレッジ」さんです。「教育への支援は希望と安心を生み出す未来への投資」という考えのもと、全ての子どもが夢と希望を持てるように沖縄県で就学援助児童への学習支援を実施。現在、沖縄本島、離島含めて合計27施設で活動を行っています。

那覇事業の事業責任者で泉崎教室の教室責任者・安次嶺北(あしみね・ほく)さんは直近の1月のイベントを振り返り、「イベント参加だけでなく、イベント前のミーティングからかかわることができたことで、子どもたちの積極的な参画が見られ、その後イベントをやり通した子どもたちの伸び伸びとした成長を感じることができました。 とても素晴らしい“自己肯定行動”につながるようなArch to Hoopの活動は、今後も参画していきたい体験だったと考えています」と語りました。

安次嶺さんが特にうれしかったこととしてお伝えいただいたのは、参加した子の保護者からのさまざまなメッセージの言葉でした。
『イベントに参加することができて子どもが積極的になりました』
『考えながら行動しているなと感じています』
『以前よりも親子の会話が増えました』
『イベントの後は自分から宿題を行うようになりました』
など、イベントを最初から最後まで完遂することで“心の成長”だけでなく、“学力の向上”にもつながったんだなと感じています、と副次的な効果に驚いていらっしゃいました。

「子どもたちが『やってみたい』『面白そう』『どんなことするの』など興味を示してくれるので、これからも積極的に子どもたちと参画したいです! 私たちは、子どもたちにどれだけ多くのメニューを提示できるか、面白さや楽しさを見せることができるかが重要だと考えています。バスケットボールを通して、大人から子どもまでたくさんの幸せとかかわることができればうれしいです」と今後の参加に意欲を見せていただきました。

Arch to Hoop沖縄の活動の目標は、
「子どもたちがあきらめることなく自分の可能性を広げられる未来をつくります」ということ。

2023年度は上記の3施設にご参画いただきましたが、いずれの事業所においても、子どもたち、そして、スタッフ、保護者の大人たちに、イベント参加後に皆さんの“日常”に何らかの“変化”があったことをお知らせいただきました。

“非日常”体験ですが、公式サイトにも記載しているように、「いつか、 そんな非日常が、子どもたちにとっての日常になるように。」、これこそが私たちが望んでいる姿です。

これからも沖縄の子どもたちとかかわる大人たちの日常に変化を生む体験を届けるArch to Hoop沖縄の活動を進めていきたく、引き続き、ご協力のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

ぜひ一緒に盛り上げていきましょう!!

これからも、Arch to Hoop沖縄|公式noteをよろしくお願いします。

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<プロフィール>
繁田謙(一般社団法人 Arch to Hoop 沖縄 事務局)
神奈川県横浜市出身。2010年に仕事の関係で神奈川から沖縄に移住。出版社勤務を経て、現在はフリーランスにて活動。Arch to Hoop沖縄の事務局では広報セクションを担当している。

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