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そっと建築をおいてみると

そっと建築をおいてみるとを読んで思ったこと

この本を読んでみて感じたことを一つ述べなさいと国語のテストのようなことを問われたとしたら、僕は柔らかい文章だと感じましたと答える。

どういうことかというと、この本は「現代建築家コンセプトシリーズ」という有名建築家の設計にあたっての考えとか思想とかをまとめたものだから、自分の考えを他の建築家と比較して読者に叩き込むんじゃないかと思っていたからだ。


僕は建築学科の1年生で、建築のことなんて何にも勉強してこなかったうちに早くも設計課題で建築を考えることの難しさに直面し、一流の建築家はどのようにして建築について考えているのかと思い、この本を読んだ。

この本の1番の核となっているのは「そっとおく」だと思う。題名の通りじゃないかと思うかもしれないが、ほんとにそう思う。

建築は、「そっとおく」ことで世界に新しく付加するのではなく、世界をちょっとだけ変化させるようなものであるという。

この本を読んで、建築とは自分のエゴを建物にガシガシ押し付けるものだと思っていた自分がかなり恥ずかしくなった。設計課題でも、自分の造形センスを外観に全面的に押し出して、「どうだすごいだろ」と言わんばかりの建築を作ってしまっていた。なんとも後悔しかない設計課題だったが、まあそのことに今この本によって気づけたから大きな財産として大事にしまっておこうと思った。

最初の柔らかく感じたというところに戻るが、そっとおくように文章が紙にのっているように感じたということだ。

多分この文章も自分の感想をゴリゴリかいて、読む人のことをなんにも考えない見苦しい文章かもしれないが、建築と同じで、客観的にみて人が柔らかい、優しいと感じられる建築を作りたいと思ったし、それに伴って、柔らかい文章を描けるようになりたいと思った。


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