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WRA7-2 FULHAM F.C. vs CHELSEA F.C. (R Peter Bankes)

今日は、プレミアリーグ フラム対チェルシーの試合の前半を分析していきます。

公式記録

Match Stats
30.3 Possession % 69.7
3 Shots on target 6
10 Shots 21
557 Touches 966
328 Passes 756
20 Tackles 17
33 Clearances 12
1 Corners 12
1 Offsides 3
2 Yellow cards 3
1 Red cards 0
11 Fouls conceded 10
(https://www.premierleague.com/match/59078より作成)

GOAL CHE Mason Mount (78')
YC CHE Hakim Ziyech(72') Thiago Silva (82') Cézar Azpilicueta(90+4')
     FUL Bobby Reid(69') Ademola Lookman(88')
RC FUL Antonee Robinson(44')
(https://www.sofascore.com/fulham-chelsea/NsTより作成)

R Peter Bankes
A1 Neil Davies
A2 James Mainwaring
4th Mike Dean
VAR Jarred Gillett
AVAR Adam Nunn

気になったシーン

53:02 FUL34 Ola Aina選手のシュートシーンにおけるPeter Bankes主審の動き

このシーンではフラム34オラ・アイナ選手がドリブルで長い距離を運んでからシュートをするが、その時のバンクス主審の動きが素晴らしかった。

スライド2

アイナ選手がパスを受けてドリブルを開始した時、バンクス主審はセンターサークル内にいた。

アイナ選手は前方にドリブルを開始したが、それをみたバンクス主審はあえて愛な選手のドリブルした後ろを抜けて、選手の動く方向と逆方向に動いた。

アイナ選手は切り込んでシュートを打ったが、切り込んだ時点でバンクス主審は適切な角度に入っており、タッチジャッジや反則が起こっても落ち着いた姿勢で監視できるようになっていた。

このシーンのポイントとして、選手とあえて逆の動きをして、「R-B-A」の形にしたことだと考える。非常に勉強になる動きだった。

68:43 YC FUL14 Bobby Reid (→CHE21 Ben Chilwell)

このシーンは、フラム14ボビー・レイド選手のタックルがファウルであり、カウンターであったために戦術的な目的でファウルをしたことでカードが提示されたと考えられる。

映像から見るとボールにクリーンにコンタクトしており、チェルシー21ベン・チルウェル選手にもダメージを与える接触ではないため、ノーファウルが妥当だったと考える。

比較的容易な判定をバンクス主審が落としてしまったのには、明確な理由があったと考える。それは、直前に起こったフラム21ハリソン・リード選手をチェルシー18オリヴィエ・ジルー選手が押したシーンにフォーカスが行っていたからだ。

このシーンに関しては、ボールと全く関係ないところで起こっており、おそらく間接視野でジルー選手が押したことを見ていると考える。押したのが目に入ったため接触を直接視野で見に行ったところ、レイド選手のタックルという新たな事象が起こり、タックルを間接視野で見たためにエラーが生じてしまったと考える。

ジルー選手のプッシングは反則を取るべきだったと思うが、このようなボールと関係ないシーンで正しい判定をすることは非常に難しい。なぜなら、そのシーンにフォーカスすることができないからだ。

審判が判定する上でやはり、フォーカスがずれると全く事象が見えないし、そうなると今回のようなエラーが起こってしまう。非常に難しいシーンだったと感じる。

70:57 YC CHE22 Hakim Ziyech(→FUL19 Ademola Lookman)

チェルシー22ハキム・ツィエク選手がフラム19アデモラ・ルックマン選手にチャージしたが、肩同士のチャージではなかったためにファウルとなった。カウンターで、カバーの枚数が少なかったこともあり、反スポーツ的行為で警告した。警告は妥当に見える。

81:38 YC CHE6 Thiago Silva(→FUL19 Ademola Lookman)

チェルシー6チアゴ・シウヴァ選手が手で押さえてルックマン選手を倒し、カウンターとなる攻撃を妨げたため、反スポーツ的行為で警告。警告は妥当。

82:30 指示を紙で運ぶのはOK?

フラム23ジョー・ブライアン選手が交代して入ってくるときに、指示が書かれていると思われる紙を21ハリソン・リード選手に渡している。

競技者の用具は、シャツ・ショーツ・ソックス・すね当て・靴と定められており、ヘッドギアやGKの帽子など使えると示されているものはあるが、もちろん紙は用具に入っていない。

書かれた物しか認められないとなると、ヘアバンドやリストバンド、手袋も使えなくなるので、書かれていないからダメとはいえないが、非常にグレーゾーンなものであるといえる。

あまりやってほしくない行為であると個人的には考えるが、皆さんはどうお考えでしょうか。

87:23 FUL19 Ademola Lookman (→CHE28 César Azpilicueta)

フラム19アデモラ・ルックマン選手が遅れてスライディングをチェルシー28セーサル・アスピリクエタ選手にして、警告。

日本だとラフプレーに該当する反則だが、海外では反スポーツ的行為のうちのひとつになる。タイミングが遅れていたこと・スピードもあり、激しかったことから警告が妥当だと感じる。スライディング時に足を曲げて配慮していたことで、ケガの危険性が低くなっているため退場にはならないと感じる。

90+3:01  CHE28 César Azpilicueta(→FUL19 Ademola Lookman)

カウンターでドリブルをしていたフラム19アデモラ・ルックマン選手をチェルシー28セーサル・アスピリクエタ選手が手で押し倒したため、反スポーツ的行為で警告。妥当な判定。この試合3枚がカウンターつぶしの警告で、バンクス主審は比較的カウンターつぶしに厳格なタイプのように見える。

まとめ

バンクス主審は非常に難しいゲームをカードをうまく使って、コントロールしていた。ミスといえるのは69分のイエローカードくらいで、非常に難しいものであったため、この判定を正解できるレフェリーは非常に少ないと感じる。

そして、動きの面も非常に参考になる教科書的な動きがたくさんあるため、フルマッチを見ると勉強になる。アディショナルタイムでも非常に速いスプリントがなされており、信頼感もあると感じる。

前半で退場者が出た試合にもかかわらず、非常に落ち着かせたと感じる。勉強になった。

カードは適切に使えばゲームを落ち着かせることができると再実感するゲームだった。


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