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「判定はグレーまみれ」ジャッジリプレイと自身のNoteからの雑感とお礼 #WRA-0+α(番外編)

土曜日に話題となった「名古屋対横浜FC」の試合でのハンドを巡る判定についての「Jリーグジャッジリプレイ」がDAZNで公開された。そして、私が先日投稿した「WEEKLY REFEREEING ANALYSIS」の記事についても2000名近くの方にご覧いただきました。ご覧いただいた方にお礼申し上げます。本当にありがとうございました。

私自身のNoteは下記のようになっております。まだの方はご覧いただけますと幸いです。

Jリーグジャッジリプレイの動画(Youtubeで公開後リンクを更新します)

ジャッジリプレイと私のNoteを見て、割れた部分があり、反省する点もあったので、そちらにのみ軽く書きたい。また、「90分の積み重ね」「自身の審判としての成長のため」というコンセプトで私は記事を書いているので、正解を書くことが目的ではないということもご理解いただけますと幸いです。

判定自体について 「自身の肌感覚より割れる事象だった」

この判定自体、私は85:15くらいで「ノーハンド」が優勢だと感じていたが、審判ゲストの審判S級インストラクターで元国際副審の廣嶋禎数さんという審判目線、元FC東京監督であるJリーグ副理事長の原博美さんという指導者目線、サポーターの意見を紹介し、自身も深いサッカーへの見地を持つ平畠啓史さん、そして冷静な素晴らしい実況を展開するアナウンサーの桑原学さんのお二人の方が示したサポーター側の目線のどれ見ても、「50:50」くらいの際どい事象であったといえるということに気づかされた。

サッカーの判定に事実を巡る判定は少なく、基本的にほぼすべて主観に基づく判定でサッカーは構成されている。その中で、自身「意図があったという他者の解釈は支持できるが、さすがにあの動きで意図的だとは言えない」と考えたが、この部分についてはもっと割れる部分だという認識をしっかり持つべきだった。

廣嶋さんがおっしゃったように、審判目線の正直なところでは、「私はハンドと思うかもしれないけど、現場では吹かない可能性もある」くらいの感覚であり、ノーハンドでもハンドでも本当にどちらでもいい事象であったということが言えるだろう。

私は、距離は5m程度でスピードも遅いので選択の余地はあったけれども、田代選手の移動は元々戻ろうとしていた移動であり、意図的に手を当てに行ったとはいえないためハンドではないという意見がいまでもあるため、自身が全く同じ事象に遭遇したらおそらくノーハンドとすると思う。ただ、もし副審で事象が見えたとしたときのサポートへのスタンスは少し変わった。

副審のサポート 「明白な間違いではないから判定はVARでも変わらないシーン」

副審として仮に疑問があった場合自身の持っている情報を主審に伝えることは大切である。しかし、今回のシーンは「50:50」のシーンであり、両方の解釈を正当化できるシーンであると分かった。

そうなると、副審は手の開き具合でのサポートはあまりいいサポートじゃなくなってくるかもしれない。50:50のシーンであれば、主審の判定を尊重すべきであるため、主審が見えていないわけではないシーンではサポートしないという選択肢も円滑な運営のうえでは必要だと感じる。ただ、山内さんのサポートを否定するわけではないことを明確に述べておく。

そして、来年度から復活するVARでは「明白な間違い」でなければサポートしないことがルールである。「正しい判定を探す」のではなく「主審の判定を間違いなくサポートできないときに助ける」のが趣旨である。そのことからこの判定はサポートすべきものであり、ヴィッセル神戸があった被害のように正しい判定を見つけるためにVARは使ってはならないので、PKでもPKではないとなってもVARを使ってはいけないシーンであるといえる。

(VARについては攻劇さんが詳しくわかりやすく解説していらっしゃるので、そちらをご覧いただきたい。)

ポジショニングについて 「あのポジションなら自信持ってよ」

これは、当該の時間帯を分析する「WRA #2-6」で詳細の分析をするが、今回出された新映像からすると意外といいポジションにいた。だったら「判定に自信をもってよ」というのは正直なところだし、手の開きも見えそうな気がしている。ただ、もう2m左にいたら判定にさらなる自信は持てたと考える。

マネジメントについて ジャッジリプレイとWRAの意見はほぼ一致

マネジメントについては、不足していたと廣嶋さんからもあった通り、丁寧にキャプテンに伝えることで、のちの展開も変わったと考える。

まとめ

まず改めてNoteの記事を読んでいただいた、皆様に厚く御礼申し上げます。Twitterで様々な指摘やご意見をいただきました方々にも重ねてお礼申し上げます。

今回のシーン実際は思っていた肌感覚よりグレーの物であったといえる。グレーの物を白か黒かピッチ上で決めるのがレフェリーだし、その難しさを改めて感じた。ただ、勘違いしてほしくないのは、この場合ハンドという判定もノーハンドという判定も尊重できるということである。どっちの判定であっても主審の判定は尊重されるべきであるし、おそらく片方は誤審と騒ぐが絶対的な誤審にはなりえないシーンだということを理解いただけると幸いです。今後とも至らぬ点はありますが、引き続きご覧いただけますと幸いです。

この試合を分析したシリーズ

#2-0 速報編(話題となったシーンの分析)

#2‐1 0-15分 「ポジショニングは一長一短」

過去のWRAシリーズ(マガジンでまとめてます)

この試合のハイライト


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