読書感想文(317)荒井裕樹『まとまらない言葉を生きる』

はじめに

こんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回はエッセイです。
タイトルが気になったので、借りて読むことにしました。

読書感想文は一日に一本しか投稿しないことを原則としていますが、月毎の読書を振り返りやすくするために、今日は二本目を投稿します。

感想

思っていた内容とは少し違いましたが、読んでよかったです。
「まとまらない言葉を生きる」というタイトルから、永井玲衣『水中の哲学者たち』に書かれてあったような話かと思っていました。
確かに近いことを言っている部分もあるのですが、筆者の専門から障害者運動に関するお話がより強く印象に残りました。
一応、それらを通して、壊されていく言葉について考えるという筋が一貫していましたが、どちらかといえば具体的な内容の方が気になりました。

「美味しいものを美味しく食べたい」というのは、本当にささやかな欲求だ。「生きた心地がする」というのは、まさに、こうした欲求が得られた時の感覚なのだろう。

P167

この「生きた心地がする」というフレーズもいいなと思いました。
「生きた心地がしない」という表現はするけれど、逆はほとんど使われません。
それでは「生きた心地」とは何なのか、という問いに対する、一つの答えです。

おわりに

振り返ってみると、今回は結構さらっと詠み終えてしまったかもしれません。
内容はとても大切な重い内容のはずなのに、なぜでしょうか。
そうしてしまったものは仕方がないのですが、この重い内容をさらっと読んでしまった自分が少し、いや、結構嫌です。
エンパシーが欠けているように思います。
この辺り、理想の自分の在り方と実際の自分を比べて、もっとよく考えてもいいかもしれません。
今はただ、この本の内容がいつか自分の中できちんと消化吸収されてほしい、と思います。

ということで、最後まで読んでくださってありがとうございました。


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