読書感想文(225)東野圭吾『マスカレード・ゲーム』

はじめに

こんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は東野圭吾さんのマスカレードシリーズの最新作です。
『マスカレード・ナイト』が映画化された頃から気になっていたのですが、文庫化していなかったので手を出すことができずにいました。
今回、図書館で見つけたので、借りて読むことにしました。

今回、ミステリーの部分のネタバレには触れませんが、少々内容に言及するので、事前情報全くナシで読みたい人はご注意下さい。

感想

とても面白かったです。
文章がとても読みやすい上にストーリーにも引き込まれるので、一日で読み終えてしまいました。

今回、マスカレードシリーズ自体が久しぶりでしたが、やはりこのコンビはいいなぁと思いました。
でもそういえば、最初の頃は衝突していたような気がします。お互いの立場でぶつかり、お互いに尊敬し、学び合い、認め合う、素敵な関係だと思います。
序盤で新田さんが梓警部を咎める時、「これも山岸さんの教育の賜物だなぁ」なんて思いました。

犯人でないならば盗聴した内容は即座に処分されるし、本人に盗聴したことを明かすこともないから何も問題はない、というのが警察側の言い分に違いない。しかし客のプライバシーが侵害されたという事実は変わらない。

P217

山岸さんのこういう徹底した誠実さがとても良いなと思います。
問題にならないから大丈夫なのではなく、問題になり得ることをそもそもしないというのが誠実だと思います。
ただし、警察側の立場になると、綺麗事を言って最悪の事態を招いてしまっては元も子もない、というのもわかります。
ホテルマンの立場がよく理解できるようになった新田さんに対して、今回は梓警部が警察側の役割をよく担ってくれていたように思います。

最後に、ミステリーについては全く真相を推理することができませんでした。
これはマスカレードシリーズ全てに共通することだと思いますが、多くの人が訪れるホテルでは、怪しい人が多すぎるんですよね。
ただまあ、推理しても敵わなかったからこそ、あっと驚かされて楽しめるということもあるので、それはそれでよいのですが……。でもやっぱり少し悔しいです。

おわりに

マスカレードシリーズは流石に次は無いのかなぁと思う一方、もしあったら面白いだろうなと思います。
「どっち側の人間だ?」というセリフが伏線として繋がりますね。
この作品もそのうち映画化するのでしょうか?
『マスカレード・ホテル』の方は特に映画が見事だと感じたので、こちらもどのような映画になるのか楽しみです。

ということで、最後まで読んでくださってありがとうございました。


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