読書感想文(346)くわがきあゆ『レモンと殺人鬼』


はじめに

こんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回はまたミステリです。
2023年の「このミステリーがすごい!」大賞で文庫グランプリを受賞した作品です。
このミスは外れないイメージがあるので、期待して読みました。

今回、感想で書きたいことの都合上、ネタバレを含みます。
まだ読んでいない方はご注意ください。
また、ちょっと批判的な内容も含まれます。当然個人の感想ですが、この作品が好きな方はご注意ください。

感想

面白かったです。
でもちょっとやり過ぎでは?とも思ってしまいました。何が、とは言いませんが……。

一番いいなと思ったのは、主人公と妹の叙述トリックです。
あ〜〜そういうことか〜〜騙された〜〜と思いました。
そしてその後もどんでん返しが続くわけですが、守衛さんの所はちょっとやり過ぎじゃないかなぁと思ってしまいました。
一応、理屈らしいものは書かれますが……。
巻末解説では、物語の展開のために狂った登場人物を作ったように感じられないという点が評価されていますが、私はむしろそのように感じてしまいました。
確かに、こういう人物がいたらこうなるかもしれない、という部分はあり、それは良かったです。
でも、ちょっとやり過ぎた、という感じがします。むしろもっとスマートに引いてくれた方が良かった。
最後の守衛さんの所の設定の為に、妹のキャラが少しブレたようにも思えます。

主人公の歪んだ性格が明かされる展開などはすごく良かったのですが、最後のやり過ぎという点だけどうしても気になってしまいました。
ミステリとしてはとても良かったけど、文学としてはちょっと、という所でしょうか。

なんだか上から目線になってしまって申し訳ありませんが、正直に思ったことを書いておこうと思います。

おわりに

ちょっと批判的な内容になってしまいましたが、面白かったのは本当です。
この作者の他の作品も探してみようと思いました。

ということで、最後まで読んでくださってありがとうございました。


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