読書感想文(49)森見登美彦『太陽の塔』

はじめに

こんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回読んだのは森見登美彦のデビュー作です。書店でふと目に止まって買いました。

森見登美彦の作品は『四畳半神話大系』『夜は短し歩けよ乙女』『新釈走れメロス』『恋文の技術』を読んだことがあります。5冊目にしてやっとデビュー作を読みました。

感想

面白かったことは面白かったです、が、正直期待していたほどではありませんでした。
森見登美彦らしい、主人公の大げさで馬鹿げた独白はいつも通り面白かったのですが、それだけというか……。途中から少し退屈してしまいました。
まあデビュー作なので、この作品から他の作品へと読んでいけばどんどん面白くなっていくのが感じられるのかもしれませんが……。

ストーリー性も特に無く、キャラクターも特に個性を感じられず。個性的ではあるんですけど、出番も中途半端だし、それぞれのキャラクターが輝いていないというか……。
主人公に好感が持てなかったのも退屈を感じた原因かもしれません。『四畳半神話大系』や『夜は短し歩けよ乙女』の主人公は、似ている所もありますが、まだ純情なところに好感が持てました。しかし今回は振られたあとにストーカーをするだけなので、んー、何かが違うんですよね……笑
あとはお馴染みの黒髪の乙女、今回は水尾さんという名前でしたが、彼女が全然出てこないのも退屈の原因かもしれません。魅力あるヒロインあってこその恋する男子なのではないか、とこの本を読んで思いました。

主人公と遠藤のプレゼントの送り合いは『四畳半神話大系』の代理代理……戦争に続くのかなと思いましたが、そういうわけでもないんでしょうか。
京都の大学生が主人公である、森見ワールドの原点を知ることができたのは良かったです。

おわりに

森見登美彦の本は、あと『夜行』と『ペンギン・ハイウェイ』が積読になっています。どちらもこれまで読んできたものとは少し趣が違うようなので楽しみです。

次は読書感想文が記念すべき50本目なので、何を読もうか迷い中です。これぞ50本目にふさわしい、というような本を読もうかなと思っています。

というわけで、最後まで読んでくださってありがとうございました。

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