読書感想文(84)東野圭吾『マスカレード・ナイト』

はじめに

こんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回はマスカレード・シリーズの完結編(?)です。
元々映画化をきっかけに読み始めたので、あとは映画版「マスカレード・ホテル」を観て、この作品の映画版も観に行こうと思っています。

感想

今回も楽しく読みました。
ただし、謎解きには全く歯が立ちませんでした。
明かされてみるとある程度の推理は可能だったなぁと思いましたが、真相に辿り着くのは正直自分には無理だったなと思います笑
物語の全ての要素を整理していけば、事件に関する要素とそうでないものを分けて、伏線回収を推理することで消去法も使えるなぁと思ったのが今回の収穫です。
まあ、それでも欺いてくるのが推理作家なのでしょうけれど……笑

今回は料理人というホテルの裏方にもスポットライトが当てられていたのが良かったなと思います。
せっかく何らかの職業が小説になっているのであれば、その魅力ができるだけたくさん伝わればいいなと(勝手に)思っています。
『マスカレード・ホテル』ではホテルマンの魅力がよく伝わってきましたが、今作ではホテル全般の魅力が伝わってきました。私たちが接するのはホテルマンですが、そのホテルを支えるために多くの人が見えないところで働いているのだなと感じました。

「苦しむだなんて、そんな」尚美は懸命に笑顔を作った。「私共も楽しませていただいておりますから、どうかお気になさらず」心にもないことをいうのも、ホテルマンの仕事だ。

ここを読んだ時、ホテルマンはかっこいいけど自分にはこの点で無理だー!と思いました(ホテルマンにとって「無理」は禁句です笑)。
しかし人間関係を円滑に構築する上で、心にもないことを言えることは大きな力になるのだろうなと思います。
ホテルマンがとても配慮することに長けているのはこれでもかというくらいよくわかります。普段の人間関係においてもそれほど気が利く人っていいなと思う一方、心にもないことを言うのは厳しいなぁと思います。まあ普通に信用を無くしてしまいそうなので、やっぱり継続する人間関係では難しいかもしれません。

内容については、特に400ページ辺りからは先が気になりすぎて一気に読み進みました。刻一刻と近づいてくるマスカレード・ナイト、緊張感と期待と不安が入り混じっていました。
これは映画だと盛り上がるだろうなぁと思ったので、とても楽しみです。
映画化については、それ以外の部分でもどのようにするのか気になりますが、この点についてはネタバレを含むので書かないでおきます。
とにかく映画が楽しみになりました。
読んで良かったです。

おわりに

これでマスカレード・シリーズを3冊読みましたが、どれも面白かったです。
東野圭吾が流行作家であることにも納得しました。
他の作品も色々と読んでみたいです。
ガリレオシリーズは来年また映画があるようなので、それまでに読みたいと思っています。

ということで、最後まで読んでくださってありがとうございました。

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