読書感想文(209)岡潔『風蘭』

はじめに

こんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回はついに今年100冊目です。
選ばれたのは、岡潔でした。
ちなみに今年1冊目は岡潔『春宵十話』でした。

感想

とても良かった!と言いたいところですが、正直今回はほとんど理解できませんでした笑。
体感で10〜20%くらいでしょうか?
ただ、今すぐに理解できなくてもいつか理解できるさ〜と思いながら読み進めました。自分より明らかに高度な思考に触れる機会は大切です。
理解しづらい理由の一つが、仏教用語の理解が浅いことだと思うので、来年はここを強化したいと思っています。

岡潔の著書を読むと、いつも紹介されている文学を読みたくなるのですが、今回は芥川龍之介の『戯作三昧』、ドストエフスキーの『白痴』、中国古典の『水滸伝』です。
そして幸運なことに、『戯作三昧』は既に手元にあります。
来年は芥川の本をたくさん読むのもありだなぁと思います。

今回最も印象に残ったのは、内田樹氏の巻末解説です(P195〜198)。
教育が小中高と反復的に行われるのは、学習意欲がいつ起動してもいいように、とのことでした。
そして教育は意欲を起こさせるものが良いということ、それから色々なものを提示して、生徒達が各々「身に合う」ものを取っていくのが良いことなどが書かれていました。
教育方針や方法も、色んな先生のものに触れて、各々が各々で享受して自分を形成していくということです。
そういえば私は高校生の頃、古典の授業でなぜこんなにつまらないことばかりやるのだろう?と疑問に思っていました。 
学校に限らず、教育において意欲を引き出すというのは大切です。
ただ、現在の子ども達の意欲を引き出そうとすると、どうしても娯楽性よりも必要性に偏りがちなように思います。
そもそも学校の勉強は面白くないという先入観もあります。
そう考えると、岡潔が幼少期の教育について繰り返し述べているのも腑に落ちます。学校に入ってからでは遅いのかもしれません。
さて、自分にできることは何なのでしょうか。

もう一つ印象に残ったのは、高校1,2年生が「真夏の夜の夢の時期」という話です。これはロバに惚れてしまった女王のように、この時期に興味を持ったものが一生それをやらなければ満足できなくなってしまうという話です。
私の場合は古典がそれに当たるのかもしれません。ただ当時はゲームもやっていましたが、ゲームは大学の頃ほとんどやらなくなったので、それほどでもない気がします。

あとは、とにかく人に勝ちたいという名誉欲は修羅道である、という話も覚えておきたいです。
私は元々勝負が好きで、そのおかげで学生時代に勉強もそこそこ頑張ることができました。
しかし、勝つ事だけが目的になってしまうと良くないというのは、今になってよくわかります。わかりやすい例でいえば、私は大学受験で不要な社会科の勉強を結構サボりましたが、今になって当時もっと勉強しておけばよかった、と思います(いや、これは少し話が違うか)。
しかし、そういった経験を経た上で、それをいかに抑えるかというのも大切なのだと思います。これは最近読んでいる『るろうに剣心』から学んだことです。

おわりに

ひとまず今年も100冊読めて良かったです。
ただ、実は100冊は第二段階目の目標で、最高目標は120冊でした。こちらは11月末時点で95冊だったので諦めたのですが、達成できないのは少し悔しいです。
来年こそは120冊(月平均10冊)を達成したいと思います。
ただその前に、まだ今年も1週間ほど残っているので、できるだけ沢山読もうと思います。

ということで、最後まで読んでくださってありがとうございました。


この記事が参加している募集

#読書感想文

189,937件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?