読書感想文(280)東野圭吾『恋のゴンドラ』

はじめに

こんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は東野圭吾さんの作品です。
昨年オススメしてもらって読みたいなと思っていたのですが、やっと読むことができました。

感想

とても面白かったです。
どこがと言われると、色々な要素が詰め込まれていたので難しいです。
東野圭吾さんの作品は人間描写が上手いイメージがありますが、今回も同様でした。
とてもわかりやすいのでスラスラ読めるのですが、それは具体的な話が強いからかもしれません。
具体が色々とあって、面白かった所を挙げようとするとキリがないんですよね。
自分の抽象化する力が足りないというのもありますが、やはり色々な要素が詰め込まれていることが、万人受けする理由の一つのような気がします。
それに、スノーボードに行ったことがない私でも読み進めるうちにちゃんとイメージが明確になっていくのが、すごい技術だなと思いました。後半に「クワッドリフト」と出てきても、何の抵抗もなく読めてしまいました。
ともかく、東野圭吾さんの作品はやはり間違いないと改めて思いました。

読みながらつけていたメモを見返してみると「嘘だろおおお」「日田〜〜〜」「うわ〜身に滲みる〜」など、心の声をそのまま書いているものが多いです。

今回、一番印象に残ったのは日田さんです。読み進めながら、「良いやつなのに報われないなぁ」とか「流石に空気読めなさすぎでは?」とか思っていたのですが、最終的に「これもしかして自分も結構似てるところあるかも?」と思ってしまいました笑。
あとは弥生さん、最終的に詳しくは描かれませんでしたが、その後どうなったのか気になります。幸せになってほしいです。

今回は浮気が大きなテーマになっていますが、やはり私は浮気は嫌なものだなと思いました(ここに書いても信用されないでしょうが笑)。
最もイライラしたのは次の一節です。

婚約中でありながら、いや結婚が決まってしまったからこそ、ほかの女性に気持ちが向いてしまうというのは、正常な男ならばふつうに持っている本能なのだ。問題は行動に移すかどうかだが、本人の人間性より、そういうチャンスがあるかどうかだけの違いだと思っている。自分の場合、たまたまチャンスが訪れてしまっただけだ。つまり、ある意味不運だったのだ。

P273,274

はあ???
って感じですね。
でもこういう考えの人がそれなりの数はいるというのがわかったのが、大学生の頃でした。周りもそうだから、と流される人の多いこと。流されるなら良い方に流されればいいのに、結局の所自分の悪の言い訳にしているに過ぎません。
そういえば少し前に高校生の頃の友人が、失恋後には遊びたくなるもん、みたいなことを言っていました。これも過去の過ちを正当化する言い訳ですね。お前付き合いが続いてる時から相席屋行ってたんやんけ、と。
私は人の一面で好き嫌いを分けて人間関係を捉えていないので、その友人とは別に仲が悪いわけではありません。
でも絶対にその点は流されてはいけないし、その点においては相手を見下す気持ちも正直あります。
いわゆるセフレなどは誰も傷つかない場合もあるので勝手にすればいいと思うのですが、人を裏切る行為を正当化し始めてはその点で信用はできません。

なんだか関係の無い話で愚痴っぽくなってしまいましたが、失恋したり結婚したりしたらまた考え方が変わるものなのでしょうか?
でもその変化は良い変化ではない気がするので、できれば今のままの考え方でいたいです。
良い変化には流される、悪い変化には流されない。当たり前のことですが、大切なことです。

なんか良い感じのことを言えたので、今回はこの辺りで終わります笑。

おわりに

東野圭吾さんの作品数は膨大なので、次にどれを読むか迷います。
キリがないなぁという気持ちもありつつ、でも終わらない楽しみでもあるなぁとも思います。
次に読むのは前回読んだ『卒業』の続きでる加賀恭一郎シリーズかなぁと、今の所はぼんやりと考えています。
ガリレオシリーズも読破したいですが……。

ということで、最後まで読んでくださってありがとうございました。


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