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758スクラップブック コラム集

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新聞記者が歩いて、見て、感じたことをコラム調に配信します。「ふと思い出しました」のフレーズで、昔の取材経験を織り込みながら、地域経済や文化の「今」をスケッチする「歩きメディア」で…
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#ヤマザキマザック美術館

特別展「八幡はるみ GARDEN」~ヤマザキマザック美術館の三つの推し

特別展「八幡はるみ GARDEN」~ヤマザキマザック美術館の三つの推し

 京都を拠点に活動する染色作家、八幡はるみさん(66)の特別展の印象記です。
 「八幡はるみ GARDEN」が2023年8月27日まで名古屋市東区葵のヤマザキマザック美術館で開催されています。開幕した4月21日に八幡さんと学芸員から作品の説明を受け、GARDENの作品群の鮮やかな色彩が目に焼き付いていました。
 3週間以上たってからの執筆は、特別展で投げかけられた芸術と環境問題について考え続けてい

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「四季折々の情景」~特色生かしたヤマザキマザック美術館の展覧会

「四季折々の情景」~特色生かしたヤマザキマザック美術館の展覧会

 名古屋市東区のヤマザキマザック美術館で2月27日まで「四季折々の情景 美術館に息づく小さな自然たち」が開かれています。
 「季節と共に移り変わる花々、鳥のさえずり、虫の音、小動物の気配…。日本の四季は変化に富んでいます。そして、その『日本の四季』を五七五の十七文字で鮮やかに切り取る俳句の世界。この展覧会では、現代作家9名(組)の作品を美術館所蔵のアール・ヌーヴォーのガラスや家具と共に展示し、四季

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名古屋城からはじまる植物物語~天井板絵、シーボルト、伊藤圭介…

名古屋城からはじまる植物物語~天井板絵、シーボルト、伊藤圭介…

 名古屋城といえば金のしゃちほこです。2005年に開かれた「愛・地球博」(愛知万博)で地上に降ろされて以降、今年ふたたび名古屋の街にオス、メスそろって「降臨」しています。
 この金のしゃちほこのオスは、1872年(明治5年)3月10日、東京・湯島(元昌平坂聖堂)で日本初の博覧会が開かれたときに展示され、大変な評判だったそうです。ヤマザキマザック美術館(名古屋市東区)で開幕した企画展「名古屋城からは

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スクラップという言葉の響き アーティストのたくらみを探す

スクラップという言葉の響き アーティストのたくらみを探す

 新聞記者だったので、スクラップという語感にひかれます。ヤマザキマザック美術館(名古屋市東区)で、富田菜摘スクラップ・ワールド展が始まりました。
 スクラップ(scrap)を明鏡国語辞典で調べてみると、二つの意味がありました。ひとつは「新聞・雑誌などから必要な記事を切り抜くこと。また、その切り抜き」です。もう一つが「金属の切りくず。くず鉄。また、金属製品の廃品」です。「廃車をスクラップにする」とい

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