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長野市「四季の里」田舎のランチ

場所 長野県長野市上ヶ屋2471-2572
電話 090-7007-4498
ジャンル 食堂
バリアフリー ◯
駐車場 あり
食べたもの 「おまかせ日替り定食」600円

田舎
という言葉には「都会」との対義語だけでなく、半ばバカにしたようなニュアンスを感じる事がある。これは近年になってからのものだとばかり思っていたが、語源である「鄙(ひな)」には近畿からみて西あるいは北を指すのと、「蔑む」として用いられる事から、「夷」「戎」「狄」「蛮」といったニュアンスも併せ持つ。

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すなわち、思い切り中華思想の影響下で成立した概念を言葉に表現したものなのだ。もちろん諸説あるのでこれが正解というわけではないが、魏志倭人伝のころから使われていたというのだから、ずいぶんと昔からバカにされ続けてきたものなのだ。ひどい話といえばこれ以上のものはない。

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私はといえば中学3年生まで土に接した事がないほど東京でCity Boyとして生まれ育ってきたが、その後順調に調布→府中→多摩と数年おきにステップアップしていき、とうとう長野に進出して20年が経過してしまった。来た当初は首都と地方では違いがあるのか、となんとなく不安があったが、親切な方々に恵まれたのと、もともと地方に水があっていたのであろう。今ではすっかり田舎者の一員に、というかいつまでもバカにするんじゃないぞ!あわせて長野のみなさん、これからもよろしくお願い申し上げます。


「四季の里」

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わが家からループ橋をスルスルと上り、今はなき里谷多江コースをわき目に辿りつくは大座法師池。静かな湖畔の傍にある、元はコンビニエンスストアだった建物を再利用して作られた食堂というか定食屋さん。お邪魔するのは2年ぶりくらいだろうか。近在のおばちゃんたちが、地元野菜をたっぷり使ったランチを食べさせてくれるご機嫌な店だ。


「おまかせ日替り定食」600円

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この7月1日に価格を改定したとの事で、100円値上がりしたようだがこれだけついてきて600円だから嬉しくてたまらない。以下料理紹介となるが、名称は私が適当につけたものなのをあらかじめご了承いただきたい。

◯野菜の煮物、目玉焼きのせ

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大根、インゲン、にんじん、チクワなどを醤油と味醂と酒、砂糖でちゃっちゃと調理された、母親が冷蔵庫にあるものだけで作り上げました、という感じだ。ほどよい甘さと柔らかく煮えた大根がとてつもなく美味い。どこにでもついて回るチクワ(誇り高きビタミンちくわ!)が好ましくてたまらない。

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◯揚げ物2種

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普通のコロッケに春巻き。前者はこのサイズ感と衣の剥がれ具合から間違いなく自家製であろう。みてくれこそ今ひとつだがこれが美味い。ソースをじゃぶじゃぶにかけるのが正しい食し方といえよう。
後者は春巻きと書いたが、果たしてそのように呼んでよいのか。たしかに春巻きの皮を使い、中身もそのまんまだし揚げてもいるが、巻かれていない。これは『包む』というのだ。でもね、この大雑把さがよいのだ。

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◯みそ汁

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具沢山、というレベルでは表現しえないほど野菜がてんこ盛りに入っている。大根、白菜、もやし、お麩などなど。小食の方はこれだけでお腹がいっぱいになってしまうほどだろう。

◯漬け物

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野沢菜漬け、これも自家製であろう。ほどよい塩味と酸味、旨味がよいよい。

◯ご飯

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本日はひじきのまぜご飯。にんじんと油揚げを入れ少し甘めの味つけで煮たひじきを炊き立てご飯と混ぜ合わせ、黒ゴマをふった大作だ。昔々、母親が作っていたまぜご飯に似ている。美味しくて懐かしくておかわりしてしまう。おばちゃん、これお櫃ごとちょうだいな。


食事の間、店主であるおばちゃんが横で相手をしてくれる。飯山生まれというおばちゃんはしきりに田舎料理だから口に合わないだろうという。そんな事ないさあ、とても美味しいよ。みんなこれを食べたいから来るんだよ。あらそうかいそれは嬉しいねぇ。そういえば静岡やら埼玉やらからも来てくれるんだよ。典型的な北信おばちゃん言葉に酔いしれて、心地よい時は過ぎて行く。

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