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BtoB新規事業・事業立ち上げにおける撤退となってしまう「3つの"進め方・意思決定"」(ビジネスサイド編)

はじめに

株式会社Cquick代表の荒井です。
弊社では中小企業の事業立ち上げ・中堅〜大手企業の新規事業の支援、自社でも新規事業を立ち上げてきております。私自身も前職のLegalForceサービスの立ち上げ、新規事業「LegalForceキャビネ」の立ち上げ経験、自分自身の会社の立ち上げ、インドネシアでの販売代理ビジネスの立ち上げを経験してきております。その中で「軌道にのる事業開発・新規事業」と「軌道にのらず撤退してしまう事業開発・新事業開」を経験したり、ご相談を受けてきました。今回、弊社が営業企画のご支援をしていることもあり、「ビジネスサイドで失敗してしまっている"進め方・意思決定"」にフォーカスして記事化しようと考えました。事業開発・新規事業がうまくいかない意思決定は共通していると思っており、今回は「ビジネスサイド側での事業開発進め方・意思決定」で失敗している3つのポイントについてふれていきます。なお、今回は市場領域の絞り方、PMFの方法という内容ではなく、一定事業領域・サービス内容は決まったもののうまく進めることができていない方向けの内容となります。


失敗ポイント1: 不適切な人材採用

立ち上げ期における適切な人材と拡販期における人材は大きく異なります。立ち上げ期における事業開発人材採用は非常に重要で、プロジェクトが成功するか失敗するかの成否を分けます。特に失敗してしまうのは、「大手の〇〇出身だから」や「業界の知見・経験があるから」という理由だけで採用してしまうことです。そもそも立ち上げ期のスピードが異なることや、その方の前職ではハウスリスト(既存顧客、過去商談、名刺情報)を大量に持っていることも多く、営業スタイル自体が異なります。
立ち上げ期の企業・新規事業は無名なこと多く見込み顧客がない状況でスタートすることも多いので、全く別の職種となります。

また、業界経験者は一定活躍する可能性がありますが、その方が現職でどのタイミングで入社されていたのかも非常に重要です。立ち上げ期の場合、新規での営業経験があるか、ハウスリストがないところからでも見込みを作る力があるかが非常に重要です。またその方が業界の企業・業界インフルエンサーとの繋がりがあるとさらに事業が前に進むことが多いです。
立ち上げ期に必要とされる事業開発・営業という観点では、仮説から訴求を変更できることや案件を獲得する能力が必要となります。

立ち上げ期に求めらる人材と拡販期に求められる人材の違い

一方で事業開発・新規事業で「立ち上げ期に求めらる人材」を採用しようとするとコスト・時間も多くかかってしまうため、「業界に関する知識」は専門家へのヒアリングをスポットでお願いし、「仮説構築・訴求開発力」「見込み作り力」のある人を採用するという方法が比較的早く成果につながるかと思います。弊社の新規事業の場合は専門家の方のアドバイザーとなっていただき、営業経験のある新卒・第二新卒を採用し、マネジメントを私が行うということで立ち上げることが多いです。

失敗ポイント2: 高コストのスポットの展示会・イベント出展

PMF(プロダクトマーケットフィット)前に数百万円もかかる展示会・イベント出展はあまり効果的ではないことが多いです。確かに多くの見込み顧客となり得そうなお客さんと話ができますが、PMFができていない場合に多くの顧客と直接話をすると、全く販売実績がないサービスの場合、ネガティブイメージとして伝わってしまうことも多いのが現状です。そのため、一定の勝ち筋が見えてきたところで展示会も絞って出展することをお勧めします。また、出展の目的が協業の場合は効果的なこともありますが、PMFができていないと販売代理店、卸売り企業も提案自体が難しい状況があります。そのため、最初は紹介経由やテレマーケティングを活用してリアルな声を拾うことが重要です。
特にテレマーケティングでは、全くの営業対象外、見込み顧客、アポイント創出までいく企業と多くの「生の情報を得られる」ので非常に有用です。
弊社の事業立ち上げ時の多くはテレマーケティングを活用して事業として成り立つのかどうかも含めて検証をしております。

失敗ポイント3: 受注報酬の施策

特に中小企業が新規事業を立ち上げられる際に、販売代理店や個人を経由とした受注のインセンティブのみ施策を選択されるケースが多い印象があります。サービス提供側(メーカー)からするとリスクなく進めたいという経営者の気持ちはわかるのですが販売する側からすると、ほぼ販売実績がないサービスを売ろうとは思えません。よくあるのがパートナーシップ契約ができたものの、何も進展がないままになってしまうのではないでしょうか。
また、安定して販売してもらうにはそれなりのマネジメント工数・支援が必要となります。つまり外部の会社・社員をマネジメントすることになるので内部社員のマネジメントが難しくなる可能性があります。
そのため、販売実績ができるまでは、基本的には直営で営業し、PMF後に販売代理店、SIerの活用することで大きく成長することができます。
(販売代理店・SIerとの協業についてはみなさんからのご関心が高そうであれば記事化しようと思います。)

まとめ

いかがでしたでしょうか。
BtoB新規事業・事業立ち上げにおいて、「適切な人材を採用」し、「低コストで効果的なマーケティング戦略」を実施し、「PMFするまでは、直営で営業する」ことが重要です。今回は、相当ポイントを絞って記事にしました。
弊社は営業企画支援として、事業開発の支援、インサイドセールスの立ち上げ、営業データ活用、営業組織構築など幅広くご支援しておりますので、少しでもご関心があれば、私宛にご連絡を頂けますと幸いです。
また、記事にしてほしい内容があればお気軽にご連絡ください。


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