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出会いは人生を加速させる

誰にでも、大切にしている言葉ってあると思う。いわゆる座右の銘というやつ。

僕の座右の銘は、
出会いは人生を加速させる

文字通り、何かとの出会いは人生をもっと充実させる、という意味の言葉だ。


僕がこの言葉に出会ったのは、高校2年生のとき。夏が始まった頃に2年C組にやって来た、ある教育実習生から聞いた。
 

その人は、高知にある大学の男子学生だったけれど、教育実習のために母校がある和歌山に数週間帰ってきていた。高校生の時はサッカー部で、その時の顧問は今も変わっていなかった。僕の担任だ。


彼は気さくで面白くてかっこよくて、誰からも大人気だった。僕にも色んなことを教えてくれたし、笑わせてくれた。他の同級生と同じようにあっという間に僕のことも虜にして、憧れのヒーローのような存在になった。

僕がとにかく懐いているもんだから、彼も僕をかわいがってくれた。休み時間にも放課後にも、色んな話をたくさんした。


ある日彼は、実習には来ているけど教師になる気はないと僕にだけこっそり話してくれた。実は声優を目指しているとも言っていた。
当時の僕は、教育実習に来ている大学生は全員教師になるものと思っていたから、どういうことか全然わからなかったけれど、そういう生き方もあるんだということをなんとなく理解した。

大学が夏休みのため実習後も和歌山に残り続けた彼は、9月4日の僕の誕生日も祝ってくれた。友だちにお祝いしてもらっている最中にサプライズで現れたから、僕はめちゃくちゃ驚いた。プレゼントをもらったわけではなかったけど、とびきり喜んだ。

でも彼と会ったのはその日が最後だった。特別なお別れをすることもなく、いつもどおりバイバイと言ったのが最後になった。その後は僕から連絡先を探して連絡することもなかったし、向こうから連絡があったわけでもなかった。

それでも彼の存在は僕の中でとっても大きかった。大学でダンスをしていた彼の影響で、高3からダンスを始めたし、大学では教師の道も考えるようになった。



あの日から今まで、相変わらず一切連絡をとったことはない。どこで何をしているのかも分からない。声優になっているのか別の道を歩んでいるのか、何も分からない。
 
残っている彼との思い出は、僕の誕生日のときに一緒に撮った1枚の写真と、彼がある日ふと口にした「出会いは人生を加速させる。」という言葉だけ。


出会いは人生を加速させる。


この言葉は、どんな偉人の名言よりも僕の中にしっかりと心に残っていて、僕もずっとずっと大切にしてきた。

彼との出会い、学生時代の出会い、TABIPPOとの出会い、旅先での出会い。

実際にこれまでの人生で知らなかった景色との出会いが、人との出会いが、僕の人生を加速させていった。出会いがあるからこそ、変化があって、発見があって、新鮮味があって、人生をもっと素晴らしいものにしていく。


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2019年、僕と出会ってくれた方はありがとうございました。
来年も、どんな出会いがあるか楽しみにしています。

不定期更新しています。だいたいは旅の話や、旅の価値観についてが多いです。たまーに働いている会社のことやキャリアについても書きます。たまのたまーに、全く関係ない好きなものの話もします。