【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第51話
「特に私、他の貴妃や嬪に喧嘩を売っております。誰かさんの純愛とやらの為に」
「ふぐっ」
食らえ罪悪感、とばかりに言葉を続けます。
「少なくとも盾にするか、何かの異常に警告を発するできる護衛は、今この時からでも必要なのです。陛下もここに居続けたり、逆にここを出てすぐに私が襲われ、話せぬ仏になれば困るのでは? せっかく最愛の妻を引き留める光が差したのですよ?」
「ふぐっ……腹黒い小娘め。どうあっても、その者を手中に収めると言いたいのか」
腹黒とは失礼な。自分の価値を高め