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太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?

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とある娘は何度目かの転生を果たす。 前々世は異世界にある大和の国で太夫と呼ばれた。 前世はこの世界で傾国の娼妓と呼ばれ、最後はやり手爺に転身。 今世はこの世界で数打ち妃の1人から…
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#異世界ファンタジー

【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第65話

「……何故こうも、お前の淹れた茶は味が違うのだ」  銀の茶杯を軽く眺め、ゆっくりと口に含…

嵐華子
1か月前

【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第64話

「滴雫の淹れた茶は格別と聞いた。淹れてはくれぬか」  無駄に微笑んだ夫が、私の方にズイッ…

嵐華子
1か月前

【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第63話

「こうして四夫人が揃った事を慶事とし、皇妃と共に内々の茶宴を用意した。思えば他の宮の貴妃…

嵐華子
1か月前
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【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第62話〜三章前の…

次章に進む前の、主に登場人物をメインにまとめています。これから登場する三嬪について大きな…

嵐華子
1か月前

【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第61話〜小雪side

「門がやけに古めかしいな、右鬼」 「古めかしい? コレ、そんな程度か? 木が朽ちかけてい…

嵐華子
1か月前
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【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第60話〜小雪side

「兄様! 兄様! もういいよ! 何もしなくていいから! 手を離して逃げて!」  泣き叫ぶ…

嵐華子
1か月前

【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第58話〜牡丹宮筆頭女官side

「玉翠様!?」  パリンと何かが割れる音がして主の部屋へと足早に向かえば、長年仕える主が割れた花瓶を床に落としていた。  この宮の象徴花たる早咲きの牡丹。皇帝陛下の寵愛の証たる王花が床に散らばっている。 「何でもないわ、杏鈴。少しぼうっとして、手を滑らせてしまっただけ」  向けられる微笑みには憂いが見て取れ、儚げだ。我が主は何とも美しい。 「すぐに片づけさせます。夜も更けました故、お休み下さいまし」  控える女官に指示し、まずは主を寝台へとお連れする。  先程ま

【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第38話

「何です、これは……」  顔を顰めているのは丞相。 「……」  無言でドン引きしているの…

嵐華子
2か月前
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【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第19話

「……人を寄こす」 「必要ございません」 「いい加減にせぬか、小娘!」  私の問いに、陛下…

嵐華子
2か月前

【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第14話〜晨光side

「さて、そろそろ来る頃ですね」  時刻は深夜。お近づきの印にと、ある小娘から贈られた貴重…

嵐華子
2か月前
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【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第12話

(豆知識) ※舞台は中華風なので漢字表記ですが、なるべくふりがなふった後、同話内では名前…

嵐華子
2か月前
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【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第11話

『皇貴妃の年齢もございます。父として、娘の肩に帝国の未来がこれ以上、重くのしかかるのは……

嵐華子
2か月前
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【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第10話〜暁嵐side

『では、僭越ながら申し上げます。皇帝陛下の醜聞たるお噂は、辺境の地である我が領にも広く轟…

嵐華子
2か月前
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【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第8話

「詳しくは丞相にお聞き下さいませ。表向きの事ならば把握なさっておりましょう」  こちらの世界は初代の世界と違い、魔力というものが存在致しますからね。  あの方と同じ色味をお持ちなら魔力を体外へ放出し、他者へ威圧感や畏怖を与える事など造作もないはず。  しかし私には無意味。一体、何度鼻で笑わされる羽目になるのでしょうか。 「裏向きの事まで話したとて、私に何の利があると? ただ私の身が危なくなるだけではありませんか」 「いや、それは……仮にもお前はこの国の皇帝の貴妃。危害