【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第44話
「お前はまるで最初から全てを見透かすかのように先手を打ち、行動しておる。教えてくれ。妻を失わぬ為にどうすべきか……頼む」
あら。入宮二日目にして、初めて素直になられましたか。意外と早かったですね。それ程に妻を失いたくないからでしょう。
二度の人生では春と芸を売り、三度の人生とも仲睦まじい両親に恵まれましたからね。このように情へ訴えられるのと弱いのです。
「その妻は現在どのようにお考えなのです? 陛下と離縁し、俗世と離れたいとお考えですか?」
「初めはそう申していた。