【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第43話
「よろしいですか、陛下。本来なら私は己の伴侶を、家柄等関係なく、好きに選べる環境で、お金も、人間関係にも、大っ変、満足した生活を送っておりました」
「うぐっ」
聞き間違いなど万が一にも起こされないよう、短く言葉を区切って陛下に再度陳情致します。
陛下の小さな呻き声など、無視です。
「それを奪われる苦痛。どれ程のものか、わかりませんか? 最も帝位から遠いとされた皇子でいらした陛下になら、ここまでお伝えすれば、察せられましょう?」
「そ、それはっ……」
「私が何故莫大な