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太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?

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とある娘は何度目かの転生を果たす。 前々世は異世界にある大和の国で太夫と呼ばれた。 前世はこの世界で傾国の娼妓と呼ばれ、最後はやり手爺に転身。 今世はこの世界で数打ち妃の1人から…
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【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第66話

「どうしたのです、静雲」 「巧玲、貴女もよ」  何かしら疑いを含む翡翠色をした皇貴妃の瞳…

嵐華子
3週間前

【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第65話

「……何故こうも、お前の淹れた茶は味が違うのだ」  銀の茶杯を軽く眺め、ゆっくりと口に含…

嵐華子
1か月前

【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第64話

「滴雫の淹れた茶は格別と聞いた。淹れてはくれぬか」  無駄に微笑んだ夫が、私の方にズイッ…

嵐華子
1か月前

【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第61話〜小雪side

「門がやけに古めかしいな、右鬼」 「古めかしい? コレ、そんな程度か? 木が朽ちかけてい…

嵐華子
1か月前
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【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第60話〜小雪side

「兄様! 兄様! もういいよ! 何もしなくていいから! 手を離して逃げて!」  泣き叫ぶ…

嵐華子
1か月前

【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第57話

「もちろん、先にどうするか皇貴妃に伝えておいて下さっても、下さらなくとも構いません。お嫌…

嵐華子
1か月前

【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第55話

「小娘」 「……」  何でしょうか、と目だけで陛下に返事をしてみれば、何故だが呆れたようにため息が。 「はぁ、菓子を口いっぱいに頬張りすぎであろう。誰も子供から菓子を取り上げたりはせぬ」  食後の甘い杏仁豆腐からの、しょっぱいヨリヨリをモグモグしておりましたからね。菓子を取り上げられるとまでは思っておりませんでしたが、昨日からの精神的な疲弊に、念願の物を口にしたのです。無心で頬張るのは仕方ありませんよ。私、まだまだ成長期ですから。  子猫は元の場所で大人しく、食後のお

【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第53話

「美味い……」 「なかなか……」 「ガウッ」  皆様、気に入ったようで、ようございました。…

嵐華子
1か月前
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【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第50話

「手つけに馬蹄銀を、食後に杏仁豆腐はいかがです?」 「しょっぱいお菓子も食べたいです」 「…

嵐華子
1か月前

【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第49話

「ご自分のエゴを通す為に、十四の小娘を餌として使われる方が綺麗事を仰って、説得力かありま…

嵐華子
1か月前
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【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第48話

「小娘……さすがに酷くないか……」 「暴力娘……」  殿方二人の私への評価と、ドン引いた…

嵐華子
1か月前
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【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第47話

「全く謀りなぞしておらん。勝手に盗み見して、勝手に疑心暗鬼になられてもな」  陛下はああ…

嵐華子
1か月前
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【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第45話

「呆れた目を向けるな…………はぁ。落ちこむだろうが」  思わずジトリと見やれば、人の寝台…

嵐華子
2か月前
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【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第43話

「よろしいですか、陛下。本来なら私は己の伴侶を、家柄等関係なく、好きに選べる環境で、お金も、人間関係にも、大っ変、満足した生活を送っておりました」 「うぐっ」  聞き間違いなど万が一にも起こされないよう、短く言葉を区切って陛下に再度陳情致します。  陛下の小さな呻き声など、無視です。 「それを奪われる苦痛。どれ程のものか、わかりませんか? 最も帝位から遠いとされた皇子でいらした陛下になら、ここまでお伝えすれば、察せられましょう?」 「そ、それはっ……」 「私が何故莫大な