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太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?

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とある娘は何度目かの転生を果たす。 前々世は異世界にある大和の国で太夫と呼ばれた。 前世はこの世界で傾国の娼妓と呼ばれ、最後はやり手爺に転身。 今世はこの世界で数打ち妃の1人から…
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#後宮

【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第64話

「滴雫の淹れた茶は格別と聞いた。淹れてはくれぬか」  無駄に微笑んだ夫が、私の方にズイッ…

嵐華子
15時間前

【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第63話

「こうして四夫人が揃った事を慶事とし、皇妃と共に内々の茶宴を用意した。思えば他の宮の貴妃…

嵐華子
2日前
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【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第62話〜三章前の…

次章に進む前の、主に登場人物をメインにまとめています。これから登場する三嬪について大きな…

嵐華子
3日前

【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第60話〜小雪side

「兄様! 兄様! もういいよ! 何もしなくていいから! 手を離して逃げて!」  泣き叫ぶ…

嵐華子
9日前

【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第59話〜牡丹宮筆…

「これで本当に全てか」 「は、はい、女官長。他の宮の筆頭女官にもつたえ、女官に周知するよ…

嵐華子
2週間前

【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第58話〜牡丹宮筆…

「玉翠様!?」  パリンと何かが割れる音がして主の部屋へと足早に向かえば、長年仕える主が割…

嵐華子
2週間前

【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第57話

「もちろん、先にどうするか皇貴妃に伝えておいて下さっても、下さらなくとも構いません。お嫌でしたら沙龙を催さなくてもよろしいのです」  渋る陛下に続けます。 「得られる結果が、その程度のものになるだけ。私はあくまで餌として入宮しましたが、餌をどう使うかはそちらの自由。元より丞相には丞相のお考えもあって、私を入宮させたのですから。そして丞相の首で済む範囲であれば、私は基本的に餌を演じながら自由に過ごして良い。そう契約書に書かれております。求められれば助言も金の延べ棒分は致しま

【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第56話

「それで魔力が幾らか抑えられていたのでしょう」  更に言うならば殿方は命のやり取りをした…

嵐華子
3週間前

【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第55話

「小娘」 「……」  何でしょうか、と目だけで陛下に返事をしてみれば、何故だが呆れたよう…

嵐華子
3週間前
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【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第54話

「それに私がお金持ちなのは、聞き耳覗き見していたのですから知っているでしょう。私の給金を…

嵐華子
3週間前
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【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第53話

「美味い……」 「なかなか……」 「ガウッ」  皆様、気に入ったようで、ようございました。…

嵐華子
3週間前
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【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第52話

「子猫というのはあの黒い靄の事ですか? あのように禍々しい靄が白虎だと?」 「モヤ?」 …

嵐華子
3週間前
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【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第51話

「特に私、他の貴妃や嬪に喧嘩を売っております。誰かさんの純愛とやらの為に」 「ふぐっ」 …

嵐華子
3週間前
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【太夫、傾国の娼妓(やり手爺)ときて今世悪妃とは、これ如何に?】第50話

「手つけに馬蹄銀を、食後に杏仁豆腐はいかがです?」 「しょっぱいお菓子も食べたいです」 「麻花兒もつけましょう」  銀塊に、甘いのとしょっぱいのが手に入りましたね。  麻花兒とは、小麦粉と塩と膨らし粉を練って油で揚げた、庶民にもお馴染みのお菓子です。上流貴族になる程、砂糖を混ぜたり、まぶしたりします。 「まずはこの後宮を、本来の四神相応の地に整えてからです」 「先に馬蹄銀を渡しておきましょう」 「ありがとうございます」  にっこり微笑んで、お礼を言って銀塊を懐にしまい