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可哀想が可哀想


 ご訪問ありがとうございます。お時間あれば、固定された記事「療育、やってます」も読んでみてください。

 さて、給食を全く食べない子の話。
 毎年、給食を全く食べない、もしくはほんのちょっと好きなものだけしか食べない子どもがいます。感覚過敏の場合もありますし、偏食の場合もあります。家ではそれなりに食べる子の場合、大勢で一緒に食べることに違和感を覚えて食べられなくなってしまう子も(『いつもと違う』と感じるんですね)。
 なので、大勢で食べることに緊張してしまう子は、みんなより先に給食を食べ始めるようにして、落ち着いて食べ始めた頃他の子どもが席につくように時間をずらすこともあります(パーテーションでその子の周りを囲ったりもします)。

 偏食の子でも、家では菓子パンやご飯はよく食べると聞けば、食べられそうなものだけを前に置き、果物なら、、、と聞けば本来は食後のデザートの果物だけをトレーに置いたりします。
食べられそうなものを一口よりも小さく、ほんの爪の先程だけお皿に乗せることも。
 もちろん、それでもしばらくは給食を何も食べない日が続きますが、ある日を境に少しずつですが食べてくれるようになる場合も。
 白米しか食べない子には、チャーハンや混ぜご飯の時も白米を別で用意したり、逆に白米を食べないならふりかけを用意したりもします。
 少しずつ、少しずついろんな味に慣れていけるように知恵を絞ります。

 それでも、我が子が何も食べないと知るとその子の好きなもの(菓子パンだったり、おにぎりだったり)を持ってクラス前で待ってるお母さんがたまにいます。
 また、お腹が空いているだろうから、すぐに家に連れて帰り何かを食べさせてあげたい、と本来なら通園バスで帰るお子さんを自車でお迎えに来て下さるお母さんもいます。
 お腹が空いたら「可哀想」になっちゃうんですね。
 でもね、とことんお腹が空いたら「食べる」子もいるのです。一食抜いて次の食事まで何も食べられなければ、相当お腹もすきます。家で食べられている子なら尚更。そういう子に
『今(給食を)食べなくても、ほんの少し我慢すれば好きなものが食べられる』
と思わせてしまったら、ますます給食を食べない事になる。なんだか残念です。

 小学校も給食。これからどんどん体が成長していく時期に、お家以外でも食べられるようにしてあげたい。お家では好きなものしか食べていないようなら、ほんの爪の先の大きさでもいいからいろんな味を試させてあげたいと思います。
 いっときの『可哀想』に負けるとずーっと可哀想になるのになぁ、と歯がゆく思ったものです。

 ただ、療育園時代に全く給食を食べなかった子どもが小学校でしっかり食べられるようになったという話も聞きます。何がきっかけかはわかりませんが、そんな報告はとても嬉しい。 
 そう言えば一口ずつしか食べたくない子も割といます。だからお味噌汁をよそるときは、具材を一つずつだけ入れて、なんてやりましたっけ。もやしを一本、豆腐を一つ、わかめを1枚、、、。なかなか面倒くさかったです(苦笑)。
 そんな話もまた今度。


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