見出し画像

スケジュールカードは魔法のカード!?

 ご訪問ありがとうございます。
 お時間あれば、↓こちらもお読み下さい。


 療育園などで子どもたちがカードを見ながら部屋を移動したり、カードのスケジュールに沿って次の活動に移ったりする姿を見て、カードをまるで子どもを意のままに動かす魔法のように感じてしまう方も多いです。これは大きな間違い。本来のカードの目的は
「子どもが自分の意志で行動するためのもの」
です。ここを取り違えちゃあいけない。

 「保育園でもカードを使っているんです」
とお母さんが言うので、私が普段使っているカードを見せて
「こういったものですか?」
と話し始めた途端、隣りにいたBくんがパッとそのカードを払いのけました。
「あんまり好きじゃないみたいで…」
とお母さんは苦笑い。私も苦笑いで伝えます。
「多分、カードの使い方間違っちゃってるかも」

 保育園の先生はきっとトイレのときや給食の時間、やらなくてはいけない活動の時にBくんがわかりやすいように視覚に訴えるカードを用いているんだと思います。でもそれだけだとBくんの意思は全く尊重されずに、先生の都合だけをBくんに押し付けていることになりがちです。
 Bくんの大好きな活動やおもちゃなどもカードにしなければ、フェアじゃないと思いませんか?

 例えばトイレのカードを見せたあと、Bくんの好きなブロックのカードを見せる。
「トイレ行ったらブロックで遊べるよ」
と伝える。はじめは意味がわからず、トイレに行くのを嫌がるかもしれません。それでも根気よくカードを見せて、気乗りしないことでも(今回はトイレ)それが終われば大好きな事(今回はブロック)で遊べることを伝え続けます。そしてもちろんトイレに行ったあとは必ずブロックで遊べる時間をとってあげてください。
 苦手なものを表すカードと好きなものを表すカードは同じくらい用意したほうが良いです。好きでも嫌いでもないもの(例えばそれは絵本かもしれないし、給食かもしれません)もあったほうが良いですね。
 苦手なことを頑張ったら、楽しいことが待ってる…と理解することで子どもたちはカードに従って動けるわけで、楽しいことを早くしたいがために自主的に動く動機にもなり得るのです。

 カードの最終目的は自分で予定を立ててそれに従って自分で動けるようになることです。
 もちろんそのレベルまでいかない子もたくさんいますが、いくつか並んだスケジュールを見て苦手なことも嫌なことも入っているけれど、自分の好きなことができる時間もある、と自分で確認して動ける、事が大切なのです。

 視覚支援のカードは子どもを意のままに動かす魔法のカードではありません。子ども自身が自分の意思でスケジュール通りに動けるようになるための、いわば子ども自身のためのものです。そこを取り違えてしまうと、カードとは親や先生に命令される時に見せられるもの、と勘違いしたカード嫌いな子どもになってしまうのです。

 単にスケジュールカードと言っても、2つしか予定を提示しない場合もあれば、それこそノートにびっしり予定が書いてある場合もあります。
 そんな話もまた今度。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?