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〇〇どこにいる?

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 自閉症スペクトラムの子どもは他人と目を合わせるのが苦手です。
「こっち向いて」
「ママのお顔を見てね」
「先生の目を見てご挨拶しなさい」etc、、、
そんな言葉がけをよく聞きます。子どもの顔を持つようにして、わざわざこちらに顔を向けてくださる保護者の方もいます。でもなかなか子どもは自分から顔を向け、目を合わせるようとはしてくれません。毎回同じ言葉がけをすることに、、、。

 なぜでしょう?それは、その言葉がけだと自発を促すことが出来ない、からです。毎回
「目を見てね」
と言われるから目を見る。そこにはなんの意味もくっついてはいなくて、言われたから言われたとおりにする、だけのことになってしまうのです。それならどうする?
 例えば、帰りの挨拶。「さようなら」を言う前、あらぬ方向を向いている子に
「先生どこにいる?」
と聞いてみる。そっぽを向いていた子どもはとりあえず先生の方を見ます。そこですかさず
「さようなら」
と声をかける。このほうがどちらかといえば「自発的」。ただこれも「動機づけする」という意味では少し弱いかも。
 普段の遊びの中から、目を合わせると
『なにか良いことが待っている』
と思わせてしまうのが良いと思います。
 例えば、くすぐりっこが好きな子どもには目があったときだけくすぐってみる。それこそ、その子の目の前に回り込んで偶然でも目があうように仕向けるのです。
 子どもが寝転んで読んでいた絵本の上に手を置いたら、多分その子は
「?」
と顔を上げるでしょう。すかさず目を合わせて、そしてくすぐる。それを繰り返すと『目を合わせるとくすぐってもらえる(楽しいことが待っている)』と頭にインプットされます。
#くすぐりが好きな子にかぎりますよ
 この方法だと、子どもは目を合わせることにモチベーションが上がり、自発的に目を合わせようとしてくれます(くすぐってほしいから)。そしてこのやり方は言葉でのコミュニケーションがなくても大丈夫。目があったときに好きなオモチャを渡してあげる、そんなことでもよいです。
 繰り返していく事で、目を合わせる事が習慣になっていくとしめたもの。

 手始めに、まずは
「こっちを向いて」
ではなく
「〇〇どこにいる?」
に変えてみませんか?顔をもってぐいっとそちらを向かせるより、ずっと簡単じゃないかな。

 言葉がけってなかなかに難しいです。最近ハッとしたのは
「出来なくても良いからね」
といつも言っているのに、出来たときには
「やった!出来たね」
と言ってしまっていたこと。これは勘の鋭い子には
『出来なくても良い、なんて言いながらやっぱり出来たほうが良いんじゃん!』
と思われかねない。他にも言葉のかけ方の大切さ、難しさをつくづく考えさせられる事はあって、、、。
そんな話もまた今度。

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