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今日は新しい道で行こう!の時は、、、

 
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今日はあいにくの雨ですが、梅雨に入る前のこの季節はお散歩するのにちょうどよい季節。とはいえ、新規場面が苦手な子どもたち、新しい公園に散歩に行くのにも一苦労なんてことザラにあります。泣いてわめいて暴れて、しゃがみこんだまま一歩も動けない、子もいます。これは決してわがままではありません。
 彼らにとって知らない道を行くのは恐怖でしかない。
例えば、目隠しして言葉通じない外国に連れてこられて、そのまま力づくでまた連れ回される、みたいな感覚でしょうか。大げさではなく、こんな風に感じてしまうのです。

 新しい道を使って新しい公園に行く時は、門を出たところ、少し先の目印になるところ、曲がり角、大きな看板、向こうに見える公園、そして目的地の公園、、、といった具合に行く道順に沿って写真を撮っておきます。それを順番に見せて先に進む、というやり方をとるのです。
「ほらね、この写真と同じ看板が見えてきたでしょう?次はここの曲がり角だよ、、、」
という具合です。もちろん大パニックの大号泣。小さな子なら抱えてしまうことも。もちろん目印はその都度ちゃんと見せます。泣きわめいて何も見ていないように見えて、そこはさすが視覚優位な子どもですから、ちゃんと視線の先で捉えていることも(もちろんほんとに何も見ていないときもありますが)。
 で、お目当ての公園に着く。公園につけば楽しそうな遊具がいっぱいですぐに機嫌も直って遊びだします。ただ、1回ではその道を覚えてくれないかも。2回、3回行くことによって、
「この道を使って行くところはあの楽しい公園だ!」
と覚えてくれて、行き帰りがスムーズになります。そうなったらカードはもう必要ありません。
 新しい道を行くたびにそんな事を毎回やるなんて大変!そんな風に思っちゃいますよね。でも例えば、初回は道順を教えるカードが10枚必要だった子も、5枚で見通しがつくようになり、最終的には初めて行く目的地の写真を見せて
「今日はこの公園に行くからね」
と伝えるだけでパニックになることなく、落ち着いて歩けるようになります(個人差はあります)。
 これは大人に対する信頼も大いに関係しているので、例えば雨が降ってきたから途中で引き返す、なんてことは絶対にしてはダメです。たとえ公園で遊ぶ時間が短くなってしまったとしても、最初の約束は守るようにして下さい。次回から信じてもらえなくなる可能性があります(なので事前に天気予報はしっかりチェック)。

 少〜しずつではありますが、障害のある子も成長とともに新しい場面でパニックを起す事は少なくなってきます。世の中に慣れてくるのかな。それまでは面倒くさくても、一歩ずつ半歩ずつやっていくのがきっと最善。
 世界は沢山の道でつながっています。どんな道でも恐れることなく進んで行けたら良いですね。
 そんな話もまた今度。

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