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「スイカ」は出来ないけど「もも」が出来た!スイカゲームで知るアクノレッジメント

GENDA Advent Calendar 2023 の16日目の記事です。本記事では「アクノレッジメント(承認)」について書きたいと思います。



まえがき

私がマネジメントの役割を担うようになってから10年ほど経ちました。最初は小さなスタートアップでマネージャーをしていたのですが、そのとき組織内でマネージャーの必読本とされていた本がありました。有名なところだと『HIGH OUTPUT MANAGEMENT』があったのを覚えています。必読本の中に『コーチングのプロが教える 「ほめる」技術』という本があり、これがとても印象に残ってます。この本で、今回テーマとしている「アクノレッジメント(承認)」という言葉を知るのですが、マネジメントのキャリアの中で最初に知れたのはとても大きなことだったと感じています。今回はそんなアクノレッジメントについて書いていきます。コーチングのプロではないため、定義・解釈の違いがあるかもしれませんが、ご了承ください。

アクノレッジメント(承認)ってなんだ?

コーチングにおけるスキルに「アクノレッジメント」と言われるものがあります。説明を見ると「存在を認める行為」ということが書かれています。10年程度のマネジメント経験ですが、アクノレッジメントは「信頼を得る」「自己説得を促す」ための大事なスキルだと感じています(上手く実践できているかは別として)
マネジメントに関して「褒めるのが大事」ということを目にしますが、褒めるという行為もアクノレッジメントの一部だと考えられます。マネージャーやリーダーの中には「褒めるの苦手なんだよね〜」という方も多いと思いますが、「褒める≠アクノレッジメント」です。アクノレッジメントとは「事実をそのまま伝えて、言葉を受け取ってもらう」ことです。承認には下記の4種類があります。

  • 行動承認

  • 成長承認

  • 成果承認

  • 存在承認

これからは今年流行った「スイカゲーム」と「娘」を例にひとつひとつの承認を見ていきます。「褒めるのが苦手」な方もぜひ参考にしてください。

やった!「もも」を作ったね!(行動承認)

今年は「スイカゲーム」という同じ種類のフルーツをくっ付けて進化させていくパズルゲームが流行りました。フルーツは全部で11種類あり、最初は小さな「さくらんぼ」から始まり、最終的に大きなフルーツ「スイカ」を目指します。幼児でも出来るシンプルなゲームなので4歳の娘もたまに遊んでいるのですが、最初はSwitchなんて触ったことないし、1日に何回もやるわけではないのでスイカは出来ません。その時に「ももを作ったね!」と事実を伝えるのがアクノレッジメント(行動承認)です。「スイカが出来たか」などの何かしらの指標で評価する必要はありません。私は「もも」を簡単に作れますが、私が「もも」を簡単に作れることと、娘が「もも」を作れたことに関係はありません。「⚪︎⚪︎できるようになったね!」は成長が伴わないと伝えられませんが「事実を伝える」行動承認はすぐにできます。

ベストスコア更新おめでとう!(成長承認)

「成長承認」とは以前と比べて成長できたということを認めることです。スイカゲームにはスコアがあり、以前との差を定量的に比べることができます。「目標のフルーツが出来た」「目標のスコアに到達した」「人気配信者と比べて」などは関係ありません。個人を基準として、成長できたことに対して承認します。スコアを例にしましたが、操作の仕方など成長は色々なところに存在しています。
組織においては「目標」や「基準(等級/職位)」「比較対象」などがたくさん存在するため「褒めるのが難しい」を生んでいるのかなと感じます。
「このグレードであれば出来て当然」などと思わず、個人の成長に目を向けると声のかけ方も変わってくるのではないでしょうか。

目標のメロンが出来た!(成果承認)

「成果承認」は達成したことを認める承認です。おそらくこれが日常的に使われる「褒める」のイメージだと思います。これは基準となるものを明確に達成しているので、伝える側もやりやすいと思います。
「ももの次はパイナップルを作ってみよう」という目標を設定し、達成できたら「パイナップルできたね!おめでとう!」と成果を承認します。
「次はメロンに挑戦してみよう」とステップアップした適切な目標設定をしていくことが重要です。また「理由もなしに褒めない」「どの部分を褒められたいのか」「褒められるようなものだと認識している」等も重要になってきます。メロンができるたびに「すごい!」と言っていたら「もう自分はメロン普通にできるんだよ」ってなってしまいますよね。ちなみに娘は現在メロンまでです。

パパの部屋で一緒に遊んでくれてありがとう(存在承認)

「存在承認」は相手の存在を認めることです。「一緒に遊べて楽しかった!」と自分に与えられている良い影響を伝えることで、自分の居場所を認識してもらうことが重要です。結果「また一緒に遊びたい」「色々なことに挑戦していこう」と色々な物事に前向きになってもらえたら最高だと思います。
組織においても自分の存在を認知されているかは非常に重要で、これが満足でないと「自分は必要ないのでは」「求められていないのでは」「期待される結果出ていないのでは」となってしまいます。

少し話はずれますが、近年リモートワークが普及するこで「存在承認」の難易度が高まったと感じます。「組織に存在している」のにリモートワークによって「オフィスにいない」みたいな話になってしまうのです。
「オフィスにいない」「上長の考えがわからない」「メンバーの状況がわからない」など様々なコミュニケーション問題に発展していきますが、全員が「オンラインで1on1設定しよう!」「Slackで毎日挨拶してみよう」とならないのが普通です。だからこそ仕組みを用意して、組織として「存在承認」の機会を提供していくのが重要だと考えています。

おわりに

今回はスイカゲームを例にアクノレッジメントについて記事を書きましたが、日々の業務でもそれぞれの「承認」はたくさんできると思います。

私はエンジニアキャリアのスタートで、長いこと業務でコードを書いていたのですが、コードレビューで「仕様・デザインと違います」「⚪︎⚪︎考慮してください」「これどういう意図ですか」というレビュー・質問をたくさん貰ってきました。しっかり見てもらえて本当にありがたい環境だったと思います。それに加えて「この書き方いいですね」などフィードバックをもらえた時は、嬉しかったしやる気が出たことを覚えています(PRコメントに何を書くかは組織のルール次第ですが、口頭で伝えることも可能です)

アクノレッジメント(承認)は組織が大きく複雑になればなるほど難しく、また人によって得手不得手があると思います。GENDAではいくつか施策が動いていますが、仕組みやツールなどでしっかりサポートできる組織にしていきたいと思います。そして、それを推進・体現してくれるメンバーがいる環境は本当に最高で感謝しています。興味がある方はぜひ下記までご連絡ください。


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