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車両保険で必ずしも車が守れるわけではない、というお話

「荒間さん。車両保険というのは、どんな車でも全額を保証してくれるわけではないんですよ」

 今日、保険屋さんと話をしてて、一番気になったトコである。
 自動車保険の更新も含めて、1時間ほど話をした。規約の変更や見直し等々、いろいろある。免許も前回更新時はブルーだったが今回はゴールドで迎えたため、金額も変わる。ただ等級は上限まで来たから、後はこれを維持できるように気を付けねばなるまい。

 それはいいが、車両保険である。以前に雹害を食らった話を出し
「保険に加入してたら綺麗に直せたんでしょうかねぇ」
と言ったところ「そうとは限らない」と。
 え、車両保険って自然災害にも使えるんじゃないの? と疑問に思っていたら、保険屋さん曰く「そういう単純なものではない」そうだ。

 車両保険の場合「保険としていくら出せるか(かけられるか)?」は
「その車の市場価値」
で決まるという。つまりは年式や走行距離といった、中古車市場でよく聴く要素だ。だから、修理金額がトータルで100万円くらいになったとしても、保険で満額保証出来るモノではない。その人にとって思い入れのある車だったとしても、それは市場価値とは別の話なんです、と。

 保険会社が「中古車の車両保険について」という話を記すくらいだから、実際にそうなのだろう。

 もちろん、保険をつけたい車に「何かしらのプレミアがある」と証明できれば話は違うらしいが、そんなのは滅多に無いとか。

 今乗ってる車は製造からもう19年も経っている。中古車市場だと価値は上がってるようだが、それはあくまでも状態の良い車の話。雹害食らってたらこうはなるまい。
 なので「新車を買う場合」があれば車両保険も考えるべき、とみていいのかもしれない。


 そんな「車の保険」で思い出したネタがある。
 かつてTBSラジオで放送されていた『小沢昭一の小沢昭一的こころ』で、話の本題に登場する「宮坂さんのお父さん」が新車を買った、という話だ。

 この番組、「宮坂さん」という中高年サラリーマンの悲喜こもごもを通じてオジさんの哀愁を語る、といえば聞こえはいいが、時にこのお父さんは変な暴走を始める。
 この「新車を買った話」では、宮坂さんは定年後に車を買う。そこまで高級ではない小型車だが、それでも立派なマイカー。人一倍思い入れは強く、とにかく「俺は新車を買った!」と自信満々、ウキウキの度が過ぎるのだ。

 車が汚れれば「折角の新車なのに!」と嘆き、奥さんでも誰でも同乗させようものなら「気をつけてくれよ、新車なんだから!」と釘を刺す。こんな感じで大切に乗り続けて約2年経ったある日、大事件が起こる。

 もらい事故に合ってしまったのだ。

 幸いにも宮坂さんは無事だったが、車は酷くやられてしまった。そして完全に相手方が悪いと思える状況でもあった。こうなると宮坂お父さんの怒りは止まらない。「君、どうしてくれるんだ!! 新車だぞ!!」

 しかし交渉の際、保険会社の担当者は至って冷静に答えた。
 新車、と仰られてますが既に購入から2年が経過しています。なのでこれは新車として扱えず、2年後の価格を基準にして査定した額を御支払いします、と。
 これは新車ではない、と言われた宮坂お父さん、思わず頭に血が上ってしまい……

 その後は大揉めに揉めた結果、お父さんにとって高くついてしまったとさ、という話でした。ああ、殴っちゃったのね。



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