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俺のアレコード大賞・2020

 本文は題名の通り「自分のアレコード大賞を決める」。まずは解説から。

アレコードとは?

 TBSラジオ『伊集院光とらじおと』の中で紹介された「アレ=どこか変な、何かあやしい雰囲気のある曲」のこと。
 かつて(15年以上も前)伊集院のラジオではこれを「おバ歌謡」と称し、コンピレーションCDも発売するほど好評を博したが、「バカとは何事か!」とお叱りを受けて今の呼び方になったそうな。

 コーナーは毎週水曜日の朝9時20分頃なので、自分はradikoのタイムシフトでチェックしてるが、リアルタイムで聴くと朝から変な気分になることうけあいだ。
 そして昨年末には、同年内にOAされた楽曲から「アレコード大賞」を決定すべくリスナー投票を実施した。エントリー作品の一覧は公式ページをどうぞ。145曲もありますが……

 発表された結果はこちら。

公式のアレコード大賞2020・受賞曲一覧

5位「じゅんぎょう列車/高見山大五郎」
4位「あんずちゃん/浜口庫之助、あんず」

3位「さよならロボットばあや/麻里圭子、ボーカル・ショップ、杉並児童合唱団」
2位「働いて手に入れたものを/竹田恵子、松下武史」
大賞「吹雪のサンタクロース/ビクター少年民謡会、岡部幸恵、広瀬一声、ビクターワンワンコーラス」

 ……曲目一覧からみると1~4月分から一つも5位以内にランクインされてないのは少々寂しいが『吹雪のサンタクロース』の大賞受賞は納得。年末の賞レースにいきなり飛び込んできてかっさらった感は強いけど、それだけインパクト大だった。

 では、不肖・荒馬大介が選ぶアレコード大賞2020……の前に、他の賞を発表させて頂きます。

<特別賞>

・「太陽に抱かれたい/ジョニー広瀬」
・「百萬円/二村定一」
・「もうだめもうだめよ/藤ユキ」

……この3曲については、アレコードで紹介前から珍盤として有名だったか自分が既知の曲だった、という理由で特別枠を設けてみた。
 もはやジャイアンリサイタルの『太陽に抱かれたい』、男のしょうもない妄想が戦前からあったことを教えてくれる『百萬円』、身体の内側から何かが溢れ出そうな『もうだめもうだめよ』。いずれも名曲である。

<優秀賞>

・「夜の錦糸町/恵美寿透」
・「いとしのパンダ/小松方正、ひまわりシスターズ」
・「BACHI BACHI/林家三平」
・「演歌・交響曲第5番(運命)/やきとりや・もつお」
「あほやからわからへん/大和田りつこ、松川義昭、東京放送児童合唱団」

 ……加えて、個人的に凄く印象的?な(心のフックに引っかかった)曲を選ばせてもらった。悩んだ結果と思って頂ければ幸いだ。
 そこまで森進一にならなくてもとツッコみたくなる『夜の錦糸町』、悪役の小松方正に子供が怯えてるような『いとしのパンダ』、本人が見た状況をそのまま歌にしたと言われたら信じてしまいそうなナンセンスソング『BACHI BACHI』、歌ってる本人はノリノリだが「やきとりや・もつお」ってそもそも誰だ?という『演歌・交響曲第5番(運命)』、いろいろと考えるのが面倒臭くなった時にオススメな『あほやからわからへん』。こちらもクセのある曲ばかりになった。

 さて、ここからが本番。

<発表!俺のアレコード大賞2020>

5位「さよならロボットばあや/麻里圭子、ボーカル・ショップ、杉並児童合唱団」

 ロボットの声は「ばあや」というより「じいや」だが、年季が入ってて必ずしも万能ではないロボットと、世話になった少年との交流、そして別れが描かれててドラマ性がある。少年が最後までロボットを慕うところも良い。本家のアレコード大賞でも3位入賞は大健闘だと思う。

4位「川越音頭/桜井奈加子、しのぶ&おさむ」

 ……歌詞は川越のご当地ソング(音頭)らしいが、しのぶ&おさむによる合いの手がしつこいくらいに割って入り、そちらの印象が強すぎてどういう街だかが全く頭に入ってこない。わざわざ「ご当地ソング”らしい”」と書きたくなるレベルで。後で怒られたりしなかったか?

3位「吹雪のサンタクロース/ビクター少年民謡会、岡部幸恵、広瀬一声、ビクターワンワンコーラス」

 ……イントロから「どこがクリスマスソングなの?」と思わせておいてサビでアレ。それでもリリースされた昭和三十年代には、田舎の人達にとって都会での華やかなクリスマスは夢のように見えたのかな、といろいろ想像出来る。大賞受賞曲だが、自分の中でランク付けするとしたらこの辺かなぁ、と。

2位「いちばんロック/前田雅子&ロイヤルナイツ」

 ……曲はロック調と違うが内容はロック。1年12ヶ月で何が「いちばん」かを威勢のいいコーラスと共に歌い上げてるが、歌詞は実に身も蓋もない。「6月 いちばん雨が降る だからいちばん つまらない月」そんな言い方しなくても(しかも曲のサビ)! 余程つまらないんだなぁ、6月。

大賞「おしゃれなツル子/喜瀬ハツエ」

 ……これが2020年のベスト!自分にとっては昨年一番の癒やしソング。とあるご近所さん視点でツル子さんを「ははーん、さては恋をしたな?」と優しく見守ってるトコにホンワカさせられるし、何よりイントロの「♪キリリンボンボンキリリンボンボン ツルルンテンツンテン」という謎のコーラス、不定期に入ってくる「ヒウィッヒヒー」という合いの手にもうメロメロ。
 本家でのランク外が実に惜しまれる一曲。オンエア時期がもう少し遅かったら上位に食い込んでたかもですよ。

総評、というより感謝の言葉。

 ……最後にまとめの一言をと考えたが、そんなお硬いものでもないか。単に自分の好みで選んだランキングを発表しただけだし、何より毎週のようにアレな歌を紹介し、時にとんでもなく刺さる曲に出会える番組には感謝しかありません。
 プレゼンターの方々も、コロナ禍の影響で地方へのレコード屋巡り等々がままならない中でこのラインナップ。本当にお疲れさまでした。

 そして今年も既に面白い楽曲が……年末にはどうなっているやら。

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