夢追人

大学サッカー部の同期で、今はミュージシャンとして活躍している親友のライブに行ってきた。

配信で見たり、TikTokを見ていたりしたので歌を聴くのは初めてではない。


初めて生で聴いた彼の声は想像を遥かに超えていた。

音楽を本格的に始めて1年。

どんな1年間だったのか全く知らない。

最後に会ったのは新大阪から東京への見送りの時。


渡した手紙を嬉しそうに受け取っていた彼が、

少し泣きそうになっていた彼が、

ギターだけを持って東京に向かう小さな背中が、

100人を超える人たちの前で誰よりもかっこよく歌っていた。


歌を聴いたらわかる。

めちゃくちゃ頑張ったんやろなぁ。って。

「俺は頑張ってるよ。」って言っていた。

自分で自信を持って言えないよ普通。

それだけの日々を積み重ねてきたんだなって感じた。


彼の歌は他の人とは違う。

上手いとか下手とかじゃない。

好きとか嫌いじゃない。

聞いているとしんどくなるくらい

心が震えて

心に刺さる。

そう感じているのは僕だけではないと思う。

じゃないとみんなからあんなに愛されてない。


愛される人には愛されるだけの理由がある。

誰よりも深く、長くお辞儀をして感謝を伝える。

想いを伝えたいの一心で全力でぶつかり続ける。

他の人が歌っている時も盛り上げる。

そりゃみんなに愛される。


彼の名前を呼ぶ声が響きわたる。

ちゃんと友達もいて安心した。

ライブに来てくれるバイト先の人たちも沢山いた。

歌ってる時のちょっとだけかっこよくなってた姿とは裏腹に、

ステージを降りるとヘラヘラしてる彼の姿。

変わらんなぁって笑っちゃった（笑）






夢を追い続ける人に保証なんて一切ない。

今やっていることが報われるかどうかもわからない。

もしかしたら思い描く結果にならないかもしれない。

でもそんなことを思いながらも日々を積み重ね続けるだけ。

彼がどんな日々を積み重ねていたのかはわからない。

それは本人だけが知っている。

辛かったよなぁ、苦しかったよなぁ、悔しかったよなぁ、

なんて同情するつもりもない。

そんな言葉をかけるつもりもない。

今起こっていること、これから起こり得る全てのことを自分の責任として受け入れる覚悟を決めて今の道に進んだんやもんな。

歌手を目指すにあたって両親からかけられた言葉も聞いたし、

借金してまで東京に夢追いかけにいったんよな。

音楽のことはよくわからない。

でも他のどんな歌手の歌よりも心に刺さるし、

その言葉で勇気がもらえる。

そんなことができる人がどれだけいるのだろう。


かっこいいよ。本当に本当にかっこいい。

誰よりも輝いていた。



どんな1年だった？

ちゃんとご飯は食べてる？

彼女はできた？

100人を超える人たちが見えるステージからの景色はどんなんだった？

聞きたいことはたくさんある。

でも今はお互い全速力で走ってるところだから

たまにはちょっと息抜きでもしたいときにまた話そう。

1年後の今よりもっとかっこよくなかった彼に会えるように、

彼みたいに、「俺頑張ってるよ」って言えるように、

僕も日々積み重ねていく。



今でも忘れられない言葉がある。

入学してすぐに彼の家に泊まりに行った時、

「俺と仲良くなった人はみんな俺の前からおらんなるんよ」

と言っていた。

あの時は

「そんなことないやろ〜」しか言えんかった。




僕が彼にかけられる言葉は同情とか労いの言葉じゃない。



「まつは1人じゃないよ。

俺も置いてかれないように一緒に走って行くよ。

やから1人ちゃうで😏」


どうせ「荒木なんておらんくてもええわ！」とか言うんやろうけど。（笑）

まぁまぁそう言わずにまつの周りうろうろさせて（笑）

迷惑はかけへんようにするからさ（笑）






彼だけじゃないけど僕の周りにはこんなに素敵な人が溢れている。

幸せだし感謝でいっぱい。

と同時にその人たちにとって自分もそういう存在でありたいと思う。

改めてそう感じさせてくれて

そして、

最高の時間をありがとう、まつ！




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雅(masa)

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