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自粛料理、頑張った!<美味しいものが大好き②>

コロナ以前はここ25年ぐらい週5~6日は外食という生活だった。とにかく毎日会食か友人たちとの美食の連続で、まさかこんな日々が来るなんてという感じだったけれど、実は作るのも昔から満更嫌いでもない。本棚を見たら「フランス料理の本(全5巻)」(辻静雄編著、1981年刊)というのが僕が最初に買った料理本らしい。当時はレシピ通りに作ろうと思っても食材や香辛料が手に入らなかったり、調理器具が家になかったりして悔しい思いをしたことをいま思い出した。

3月まではレストラン美食三昧。予約至難店だとか、食べログ高得点とか、Michelin星付きとか、FOODIESや美食情報を生業にする人たちに随分煽られ過ぎでちょっとなぁと思ってはいた。とはいえ、全てではないにしてもそういう人気化したお店の中に確かに発見もあり、実際にすごく美味しい料理に巡り合えた時には至上の喜びを感じてしまう性質なので、毎日のようにB級からS級まで飽くなき探求を続けていた。

そんな調子だったので、たまに僕が料理をすると言っても本当にたまに程度だった。ところが、4月以降は5日に1度は献立作りから買い物、調理、後片付けまですべて僕一人でやるという、家庭内での僕の存在意義が賭けられた新しい生活様式が始まった。レシピは、ネットに溢れているが、自分(たち)好みのレシピ本を見つけ出し、そこから更に味を調整しはじめて納得の料理に辿り着ける。「おうちごはん」なので、家族が「美味しい!」と言ってくれないと意味がない。食材も、高級なものばかり使えばいいわけではなく、作るものによって最適なコスパを考えて、またフードロスの出ないように調達をする。豚バラの塊肉は卸で安くまとめ買いできる店が近くで火曜と金曜だけやっているので並んでまとめ買い、野菜もスーパーの契約農家さんのものを朝から求めに行ったり、ちょっと高級食材はThe Garden自由が丘の荻窪店で買ったり、もっと良いものは専門店に行ったり。

幸い、僕の料理は家族から「美味しい」を殆ど頂戴した。「塩入れすぎ!」みたいなことはたまにあるが、メイン料理では一度もしくじらなかった。だんだん「上手!」「ね、うまいよね、お父さん」とか「あんた店出せんで!」とか家族から評価・激励されるようになり、STAYHOMEの最中にコロナ離婚にならないように気を使ってくれている分を差し引いたとしてもモチベーションは上がった。

今年は、コロナ以前から、レストランに食べに行くばかりではなく「料理合宿」(別荘を借りて友人たちと一緒に自分たちで毎食食事を作って楽しもう!)をやろうとか、10周年を迎える親しいレストランのシェフに僕たちが厨房に入ってシェフのために家庭料理を作って労うアニバーサリー・パーティーをやろうとか計画していたんです。なんと2020年は僕にとってのyear of home cookingだったんだ!そして図らずも、自粛料理でその練習ができてしまった!

家族のお墨付きももらったし、調子に乗って「割烹あらき」とかを荒木町に出せば「必ず行きますよ!」と悪魔の囁きをしてくる若い友達がいっぱいいて僕は本当に幸せだと思う今日この頃。

でも出さねえよw


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