女性の栄養分(2540文字)
ファッションについて書きます。
ナワシロがファッション……( ̄▽ ̄;)?
と驚かれた向きもございましょう。
ナワシロなんて作務衣と下駄でどこにでも行ってそう、
って思われてるのかもしれません。
はい、そです、実際の話、甚平と草履でデートに出向いて、夏祭りかよ、ってドン引きされたことありますからね、あ、その日は夏祭りとかじゃなかったんですよ、そのカッコでバーカウンターでシメイを飲みましたよ、そーなんです、ファッションとかまったくキョーミのない輩なんでありました。
サラリーマンだった頃は、ほぼ毎日ジーパン姿で出勤してました、って書くと、どんなリーマンだよ、と突っ込まれそうですが、そんなリーマンだったのです。
パンツは、デニムを4、5本(ターコイズのヒップボタンが付いてるやつだったり、よれよれのヴィンテージパンツだったり、綺麗めのブルーデニムだったりいろいろ。学生のときはLevi'sだったけど、社会人になってからは専らEDWINだったような――ブラピ好きだったんで)、上は、白T(他の色も少しはあったけど、圧倒的に白が多くて、プリントは控え目が好みだったんだけど、ラメが流行ればラメラメのキラッキラも着てましたな)、でもって黒ジャケット(BEAMSだとかUNITED ARROWSだとか、羽織りものだけはセレクトショップで買ってました)、季節によっては黒ジャケの素材がポンチになったり、あるいはジャケットの代わりに、へちま襟のカーディガンを羽織ったり、アンゴラのコートを羽織ったり、寒けりゃ首に短いマフラーとか巻いたり、になったりしたけど、でもまあ、ぱっと見でブルーデニム、白T、黒ジャケ、の親戚みたいな装い、いっつもそんな感じなんでありました。靴も白スニーカー(adidasのカントリーだったり、スタンスミスだったり)ばっかり履いてたなあ。
どカジュアルもいーとこなんだけど、若手の漫画家さんなんてのはもっとはるかに超カジュアルで、要するに、頭にバンダナ巻いて、迷彩柄のショートパンツ穿いて、的なカッコで帝国ホテルの孔雀の間にもズンズン入っちゃう、みたいな……。漫画編集者のドレスコード、オシテシルベシでございましょう?
スーツ着て出社するのは年に数えるほどしかなかったなあ。
髪も、結わえちゃえるくらい長かったり、あるいは金髪のベリーショートにしてたりだったから、スーツなんて着ちゃうと、ますます善良なサラリーマンには見られなくなって、肩ぶつけられたり、逆に道譲られちゃったり、おかしな誤解を受けてしまうので、デニムにTにジャケ、でやっぱり正解なのでありました。
持ってる数も少なくて、クローゼットの中もシューズクローゼットの中もすっかすかでした。
そです、オンもオフも、いっつも似たようなカッコ、ほとんど制服ですね。
着る服を考えないで済むそのスタイルはとても楽チンでした、ファッションに興味がなかったので。
クリーニング代もかからないわけで、そのぶんウマい酒を楽しめちゃうってぇわけですな、ふふ。
会社を辞めて、無所属のおっさんになってからは、どーなったかというと、さらにいっそうだらしなくなりました。
夏なら、カーキのクロップドパンツに、バンドカラーの麻シャツをダラリと羽織って、サンダル履き、ワッチキャップ、でこにはオークリーのグラスです。
よくいえば流離いの人、ちょっとよろしくなくいえば、ま、家なき子、みたいな?
なんか、自由になれた気がして、そーゆーカッコで町をスタスタしちゃうのが嬉しかったのです。
ところが!
あるとき妻が言いました。
「スキニー、穿きなよ」
――すきにー?
「無駄に足が綺麗なんだからさ、いっつもぶっかぶかのパンツだなんて勿体ないよ?」
――モッタイナイ?
連れていかれたショップの試着室で、ミラーを睨んで思いました。
――ダメだ、こりゃ。
「似合ってるんじゃん?」
と、妻は涼しい顔で。
――いや、なんつーか、ちょっとコレ、エロくない?
「んー、でもさー、無駄にヒップアップしてんだからさー、しっかり見せちゃいなよ?」
――やです。
「仕方ないなー、じゃ、こっちにする? テーパードパンツ」
――てーぱーど?
試着してみると……、
――おお、これは、なかなかいいかも。
「ん、いいね、太めのデニムよか、こっちの方がダンゼンかわいいよ!」
腰回りはわりとゆるく、膝からしたがびしっとタイトなテーパードパンツ、そのベージュとブラックを買って帰りました。
で、穿きなれてみると、ふむ、なかなかどうして、気に入っちゃいました。
テーパードパンツにTシャツ、カーディガン、そのカッコでワッチとか被ると……。
「女の子に見えるね」
と妻。
妻はショタ系の男子が好みなんであります、ニノとか、大野くんとか、坂口健太郎とか。
「神奈川南部系のファッションは卒業しちゃえば?」
神奈川南部系が何を指すのか、正確なとこはわかりませんが、脱ヤンキーのすすめ、的な何かであろうことが、我が身に照らすに、まあなんとなくわかりました。
いつまでもオスガキでいたかったのですが、妻のコーデがことごとくユニセックスなので、ちょいワル親父はあきらめて、ちょいカワ親父を目指し始めている昨今でございます。
さてさて、そんな妻が、この度、パーソナルコーディネートちっくなnoteを立ち上げましたため、ひとつ前の記事(『妻をプロデュース』――そうだ、これをしばらく「固定記事」にしてやろう)にて、「覗いてやってくださいませ」とお願いいたしましたところ、心やさしきお姉さま方がいらしてくれて、スキやコメントを付けてくださいまして( ゚∀゚)/!
妻は、喜び、しかし駆け回る庭はないので、木にのぼろうにも木もないので、ただひたすら、不気味なまでにニヤニヤして、今日なんかは久しぶりに、上機嫌で、口笛を吹いたりしておりました!
♪~(・ε・ )
応援してくださった方々、本当にありがとうございました😀!
服のことはよくわからないけど、妻の様子を見て、シャレッケってゆーのは女性の栄養分みたいなものなのかもしれないなー、とか思いました。
僕の栄養分は、昔も今も、はい、エチルアルコール🍶🍷🍺🍸でありますけれども( ゚∀゚)/ヨキトウジガカモシタヨキサケヲシュンノサカナトトモニ!
文庫本を買わせていただきます😀!