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ある日突然ほぼ新卒からCOOになって5年間で学んだ7つのこと

どうも、こんにちは株式会社ナンバーナイン取締役COOの荒井と申します。年始のnoteですので、簡単に私がCOOになってどんなことをしてきたか、そこで学んだノウハウについて書き連ねていきます。

こんな方に読んで欲しい

・立ち上げ初期〜30名の組織でCOOないしマネージャーやる方
・ナンバーナインという会社について興味がある方
・自分は社長タイプじゃないけど、起業に興味がある方
・スタートアップに転職したいと思っている方

COOというのはC職の中でも責任範囲のブレが大きく、多くの方が経営層になりたいときに目指すことができるポジションではないかと思います。その分なったときにどうしたらいいのか。どうやって歩めばいいのかわからなくなると思います。この記事は普通代表である私荒井がどうやって新卒からCOOに進化したかの過程を書き記していきますので、参考になれば幸いです。

 COOになり学んだこと

さて、忙しい方も多いと思うのでまずは結論から。学んだことで新しいCOO、マネージャーにも知っていただきたいのは下記の7つです。

・とにかくなんでもやることで背中でみせる
・「できないことをなくす」ために必要そうな情報を脳に食わせる
・とにかく人に相談する、協力を仰ぐ
・事業として成り立たせるために徹底して数値化
・圧倒的に効率化を意識する(売上UP、コストカット)
・チームの動かし方
・複数事業を同時にみるマルチタスク


それでは、どうして、上記のような結論に至ったのか、私の経験をお伝えしながら深ぼっていきます。


 会社立ち上げ時期(2016年、数人)


私がCOOになったのは会社を立ち上げてから数ヶ月経過したころでした。小林、小禄、荒井の3名で漫画アプリ「マンガトリガー」のために立ち上げたナンバーナインで、ちょうど、アプリが完成しリリースした頃だったと記憶しています。

代表である小林から「荒井はCOOになってもらうから」と仕事中や飲み会などでたまに言われていました。その当時、新卒で入社したピクシブ株式会社を8ヶ月で辞めた新卒のペーペーだったので「はい!やります!」と素直に受け入れていましたが、「COOって何するんだろう?」と心の中で不安だったことを今でも覚えています。

肩書が人を作るという側面も多分にあり、COOという肩書をもらうことができたことは今でも感謝しています。COOという肩書がなければ、曖昧な取締役だったと思います。


マンガトリガー成長時期(2017年、10名程度)

もちろん、COOと肩書はあれど、最初は数名のスタートアップ、「できないことをなくす」を目標に、とにかくあらゆる仕事を巻き取って行動していきました。アプリの売上レポートを出すSQLがなければ、SQLとは?から調べて自分で書き上げますし、ネットが遅いとなれば、回線や機器を調べて変更、もちろん、漫画を1話ごとに分割する作業を数万話分、インターン生の育成、資金調達の資料作成などとにかく、「人間ができることなら俺にもできる」というスタンスで果敢にコミットしていきました。時間さえかければ、大概の仕事はなんとかなると学んだのがこの頃です。

人数が10人に至るまで、COOはとにかくコミットすることが求められます。CEOやCTOなど他のC職が担っている部分のあまりは、全部COOの責任下だと考えるのがいいと思います。この初期タイミングでコミットして、次に入ってくるメンバーに背中でみせたことが、人数が増えたときの大きな信頼につながったなと振り返ってみて思います。時期には逆行しているように思いますが、今会社を立ち上げ、COOになったら増々激しく働き続けると思います。

当時は場当たり的に問題を解決していきましたが、後半になってくると効率よく解決することができるようになりました。それは、とにかく「読書やネットで情報を収集」をしたことが大きかったです。普通の人は本を1冊読んでも1週間後にはほとんど忘れていると思います。私も全然覚えていません。ただ、重要なのは問題が発生したときに、そういえばなんか似ている記事読んだな、あの本に書いてあった気がするなど、自分の脳内に検索できるようにタグを貼っておくことです。人間不思議なもので、覚えていないことも問題が起きると思い出せます。そのため、この時期は、睡眠、読書、仕事の3つで人生を構成していました。

学び:
とにかくなんでもやることで背中でみせる
「できないことをなくす」ために必要そうな情報を脳に食わせる


デジタル配信立ち上げ時期(2018年、10名程度)

順調に見えた「マンガトリガー」も競合の成長とともに、事業として雲行きが怪しくなっていきます。このままでは事業計画を達成することができない!ということで、新しい事業を検討していました。

そんな中、社長の独断で「版権を先生が持っていて、電子書籍化されていないものを電子化したらいいのでは?」ということで、デジタル配信サービスのテストが開始されます。

「漫画を電子化する!」と意気込んだものの、社内では漫画を電子化した経験がある人はいませんでした。ここで普通であれば外注を検討すると思うのですが、収益予測と外注費を考えると事業としては難しいという話になり、社内で作ることになりました。「Epubなにそれおいしいの?」状態、こういうときなんとかするのがCOOの仕事です。とにかく、制作会社、電子取次、出版社などあらゆる会社にヒアリングをかけつつ、外部のエンジニアにも相談しながら、InDesign、Photoshopを使いこなし、自分でコードを書いてスクリプトを開発して、なんとか最初のリリースまでこぎつくことに成功しました。

ただ、ここで学んだことは、本やネットで調べるのも重要だが、他の人に相談するととんでもなく早く解決することがあるということでした。最初は自分ですべて作ろうと本を読んだり、ググったりしていたのですが、どうにもうまくいかない、でも専門家に聴くと視界が開けたように問題が解決しました。


学び:
とにかく人に相談する、協力を仰ぐ


日南デジタル漫画ラボ立ち上げ時期(2019年、20名程度)

「版権を先生が持っていて、電子書籍化されていないものを電子化する」このニーズは小林の嗅覚が圧倒的にすぐれており、営業活動を開始すると、すぐに多くの引き合いがきました。ただ、電子化するには相応のコストがかかり、案件の伸びに対して、一切制作が追いつかない状況が続きました。


また、コストをかけて制作しても、なかなか売上につながらない作品もあり、このまま続けていくと、作れば作るほど赤字になりかねない状況が続いていました。

そこで、解決策として「地方のサテライトオフィス」という案が役員会で出た2週間後、私は宮崎県日南市におりたっていました。予算とあとはいい感じ以外のオーダーはなく、すべての権限ももらって、ゼロから自分のチームを作ることができる機会を手に入れました。

ここでどんなことをしたかは別記事に譲るとして、採用、育成、オフィス内装、東京-宮崎コミュニケーション、安定化からの引き継ぎまでを9ヶ月程度で駆け抜けておこないました。もちろん、ほぼ全員Macに触るのも人生初、Adobeソフトもほぼ使えない、さらに採用したのは新卒中心の若手という状況でしたが、なんとか当初の目的どおり、ニーズに応えるだけの制作キャパシティを確保することに成功しました。私の実力よりも、本当に採用をスキルではなく、価値観ベースにして大成功だったとしか言いようがありません。

この時期の経験では、COOとして、チームをゼロから作る経験、事業を数値化して収益性を可視化する経験、可視化した数字を効率化することの重要さを学びました。ただ、最初に、情報を脳に入れ、色々な人に相談する術を学んでいたためか、想像よりはスムーズにラボを立ち上げることができました。


学び:
事業として成り立たせるために徹底して数値化
圧倒的に効率化を意識する(売上UP、コストカット)
チームの動かし方


 デジタル配信「ナンバーナイン」 / ナンバーナインタックス 急成長時期(2020年〜2021年、30名程度)

作品数が担保でき、かつ配信から日数が経過するとなかなか漫画の売上は伸びません。そこでグロースチームの強化を行いました。施策の組み方、告知方法、ストアごとの施策などを工夫していくことで、売上を飛躍的に伸ばすことに成功。現状デジタル配信事業では、業界にてもっとも成長しているサービスの1つと自負しております。

並行してナンバーナインタックスの事業についてもテコ入れを行いました。会社によると思いますが、会社が成長してくると必ずといっていいほど周辺事業が増えてきます。こういった事業の整理整頓及び最適化というのもCOOの仕事のひとつです。PMFした後サービスを伸ばすのはもちろんですが、マネタイズポイントが変化していく。その過程で分化したチームをまとめ上げるということが発生してきます。

学び:
複数事業を同時にみるマルチタスク


デジタル配信「ナンバーナイン」を中心としたトータルサポート(2022年、50名へ)

ここから先は未来の話になります。ナンバーナインは今30名ほどの人数になりました。直近、類似サービスも出てきている中で、漫画家の皆様にナンバーナインを選んでいただけるよう、さらなる価値提供が必要だと考えています。

ナンバーナインではデジタル配信以外にも、NFT、マネジメント、クラウドファンディング、確定申告代行、販促支援、広告漫画、FANBOX運用など多彩なサービスを提供しています。しかしながら、提供できている漫画家さんはごく一部、これを可能な限り普遍化し、より多くの漫画家の皆様に求められているサービスを提供していくことで、デジタル配信だけではなく、漫画家の創作活動をあらゆるタッチポイントで支援していきたいと考えております。

今後、電子化の波、SNSメディアの変化により漫画家の在り方は劇的に変わっていくと思います。そうした中でいち早く、トレンドを押さえ、必要な情報を提供し、漫画家が面白いもの、創りたいもの、やりたいことに集中できるような環境に少しでも近づけるようにコミットしていきたいと考えています。


結論


事業によってやるべきことは大きく変化してくると思います。COOを拝命した当時はかなり頭でっかちでしたが、約5年COOを経験してわかったことは、スタートアップはPDDDDDDDDDCAくらいでちょうどいいかなということです。徐々にDを減らして、CやAを増やし、最終的にはPを中心にしていく。そのDを支えるのが30人程度の規模のCOOのミッションなのかなと今は考えています。

世の中には素晴らしい実績をあげてCOOになったスーパーマンが多くいると思います。ただ、その人たちの真似をしてもうまくはいかないのではないかなと。私のような普通の人でもCOOになることができたので、もし、ある日突然、COOになって困っている人がいらっしゃったら、その助けになれば幸いです。

今年は30人から50人規模に大きく成長していく年になると思います。今までのように「できないことをなくす」から、徐々に「組織」として権限移譲をすすめるフェーズになるなと、COOとして新しいステージに立ちますが、今まで通りとにかく情報を脳に入れ、人にそうだんすれば「なんとかなる」と思い22年も進んでいきます。

募集


ナンバーナインでは、現在Wantedlyさんを中心に様々なポジションで求人を行っております。少しでも弊社に興味をお持ちいただけましたら、ぜひお気軽にご応募いただけますと幸いです。







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