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荒川区景観まちづくり塾って、何?
このnoteでは、荒川区の景観まちづくり活動(略して「あらまち」)について記しています。
今回は、荒川区景観まちづくり塾って何という疑問にお答えします。
いつから?
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荒川区景観まちづくり塾は2016年に開講しました。
だれが参加しているの?
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荒川区のまちづくりに興味がある方を対象に、毎年塾生を30人程度募集して開催しています。様々な角度からまちを捉えたいと考え、区民だけの参加に限定していません。
運営は、私たち区民らからなる荒川区景観まちづくり推進委員会と荒川区都市計画課が主体となって行なっています。
専門的な部分は当塾塾長の篠原修氏、当塾講師の日本大学理工学部まちづくり工学科の岡田智秀氏と、その研究室の学生さんにご協力いただいています。
また講座の内容にあわせた専門家等をゲスト講師としてお招きしています。
さらに、広報等の面では区内さまざまな組織のご協力をいただきながら、産学官民が一緒になって行っています。
塾の目的は?
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当塾の目的は、「荒川区らしい景観ってなんだろう」ということを学び、考えること。
区内では防災性向上など、いたるところで大小さまざまな工事が進んでいますが、そういうときにただ壊す・つくるではない、荒川区らしい景観まちづくりを目指したい、という大きな目標・野望をもってこのキーワードを掲げました。
荒川風物資産を見つけよう
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そのために、まずはまちの中から荒川区らしさを感じるものを「荒川風物資産」と名前をつけて、発見してみることにしました。
ここで「風景」ではなく「風物」としているのは、「もつ煮込みの匂い」や「年末の拍子木の音」など、目だけじゃなくて五感で感じる下町的な要素も大切にしたい、ということで風物としています。
もちろん、ここでいう「荒川区らしい」とは、「荒川区にしかない」という意味ではありません。荒川区を感じられる、荒川区と馴染みがいいなど、荒川区のこれまでとこれからを考えたとき、そこにあって欲しいと思うものを指しています。
テーマ
しかし、荒川風物資産といってもあまりに広い。なので、もう少し見方を絞って、より広くより丁寧に、採集していきたいと考えました。
そこで〈〇〇 × 景観〉というように、テーマを設けることとしました。
それぞれの角度から要素を採集することで、荒川区らしい景観を炙り出そうという計画です。
第1期:防災×景観
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第1期(2016年度〜2020年度)のテーマは、〈防災 × 景観〉としました。
東京都が2018年に公表した地震時の地域危険度ランキングでは、1位となった町屋4丁目をはじめ、荒川区内各町が上位にランクインしています。
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このことから、荒川区のまちづくりを考えるとき「防災」は不可欠ということで、最初のテーマに据えました。
2020年までの5年間の活動により、区が配布した軒先の消火用赤バケツや、路地に見つけた防災井戸、避難所に指定されている緑豊かな公園など、様々な〈荒川風物資産 防災 × 景観 編 〉を見つけることができました。
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第2期:水 × 景観
そして第2期(2021年度〜)のテーマは、〈水 × 景観〉としました。
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荒川区では、荒川区景観計画の中で景観の重点ポイントとして3つの景観軸を指定しています。
沿道のバラが特徴的で路面電車が走る都電景観軸(地図の赤部分)、区内唯一の高台で夕焼けだんだんでおなじみの日暮里台地景観軸(地図の緑部分)、そして隅田川景観軸(地図の青部分)の3つです。
このように隅田川が区内景観の重要ポイントであるというのが、「水」を選んだ理由の1つ目。
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加えて、区内の隅田川沿いのエリアが、いわゆるカミソリ堤防からスーパー堤防に置き換えられるなど、親水空間が見直されてきているというタイミングでもあります。最近ではあらかわ遊園や宮前公園などで整備が完了しました。
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この他にも、天王公園や町屋公園など、まだ計画段階のものも含めていくつかの公園で親水空間の整備が予定されています。そういうタイムリーなテーマでもあるということで、〈水 × 景観〉を選びました。
ということで、区の外郭、外側を流れる隅田川と、区内の内側、内陸部に張り巡らされている暗渠の2つを題材に、区内全体から荒川区らしい〈水 × 景観〉を探求するプログラムを実施しています。
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〈水 × 景観〉については、もうしばらく続くことになりそうですが、その後も荒川区らしい景観を探る旅は続きます。
例えば〈交通 × 景観〉、〈眺望 × 景観〉、〈食べ物 × 景観〉など、まだまだ取り組んでみたいテーマがたくさんあります。
講座の内容は?
具体的な活動としては、3つのstepを基本とします。
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step1. 講義
まずは専門家の方をお招きして講義でインプット、学ぶということ。 当塾塾長の篠原修氏をはじめ、内容にあわせて様々なゲスト講師をお招きします。
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step2. 体験ツアー
次に、街に飛び出す体験ツアーを実施。学びを携えて、新しい眼差しでまちを再発見しようという試みです。路地裏でみつけた防災井戸のように、街歩きをしながら荒川風物資産を探します。
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また、時には都電の貸切旅や、隅田川クルーズなどの体験ツアーも開催してきました。
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step3. グループワーク
そしていよいよアウトプット。
講義、体験ツアーで集めてきた荒川風物資産をマップや冊子にまとめたり、これまでの学びをもとに将来の街の姿を提案するグループワークを開催します。
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街への提案は演習を前提にしていることもあり、その内容が実施できるかどうかは未知数。それでもそれぞれの気づきを共有し、なにか街に還元できないかと意見を交わします。
上記3つのstepを経て、塾は1つのテーマを完了するという流れになりますが、ここでの学びや活動が、卒業後のそれぞれのまちづくり活動に繋がっていくことを期待しています。
ex. 卒業後の活動に繋げる
卒業後の活動事例として、〈あらかわ 防災 × 景観 かるた〉を製作するチームがあります。
卒業後もグループワークでの活動を継続し、採集した〈荒川風物資産〉をもとに45枚の読み札と絵札を完成させました。
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現在は区内外の各所で巡回展示を行ったり、またクラウドファンディングで区内の小学校へ無償配布しようというプロジェクトも進行中です。
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他にも、それぞれに仕事に生かす方や、個別でまちづくり活動をされる方、私たち推進委員も多くは塾生として当塾に参加したところから運営に立場を変えていたりと様々。
このように、卒業後も継続して活動ができるように、サポートしていくことも私たち委員会の役割です。
今後もその姿を変え続けていく荒川区。
その変化をただ見守るだけでなく、自分たちで未来の街を考える。その手がかりとなれるように、これからもあらまち(荒川区景観まちづくり活動)は続きます。
荒川区景観まちづくり推進委員 委員長 山本展久
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荒川区景観まちづくり活動、略して“あらまち”。
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ちなみに当塾のロゴマークは、橘右橘さんによるもの。
江戸文字の千社札をイメージして下町らしい雰囲気のものを作成いただきました。
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