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#16 自分のトリセツ進化バージョン|発達障害児を分子栄養学で育ててみた

発達障害の息子は、たくさんのことが本当にできませんでした。普通の子どもができることができなかったり、成長してもできないままのことがあります。

その中でも、特に教科書を時間割通りに用意できないという問題がありました。国語、算数、理科、社会の教科書を時間割通りに並べ、ランドセルに入れる作業ですが、息子は何度やってもできませんでした。

なぜできないのか、私にもわかりませんでした。どう指導すれば良いのか、本当に手詰まりの状態でした。そのため、息子のランドセルをチェックするのが私の役割でした。この状況は小学校6年生になっても続きました。

中学校に進んでも教科書の準備は難しく、さらに英語などの教科も増え、ますます教科書の管理が難しくなりました。

でも、息子は自分なりに解決法を見つけました。それは、「全部持っていけばいい」という考え方です。最初は驚きましたが、全ての教科書を持ち歩くことになりました。辞書も入れているので、かばんはいっぱいになり、重くて5キロ以上ありました。本当に大変で、かばんは頻繁に破れました。

息子は路線バスで通学していたため、バス停から家まで約1.5キロあります。毎日、その5キロ以上のかばんを持って通いました。運動会や文化祭などの特別な日は教科書を持参しなくてもよいのですが、息子は毎日持って行きました。それはもうルーティンとなり、友達からからかわれることもありましたが、息子は「そうだよね、でも僕、持ってきたかったんだ」と言いながら、毎日全ての教科書を持ち歩きました。

高校生になっても、やはり毎日全教科入りの重いかばんを持参していました。でも息子なりに工夫と進化が。それは、ノート数冊が、バインダー1冊にまとめられたことです。

中学校までは教科ごとにノートを作っていましたが、高校に入ると少し改善されました。数学、英語、国語...それぞれのファイルに分けて1冊のバインダーに収められたのです。バインダー自体は分厚く、パンパンでしたが、でもバインダーを持っていけば何も忘れることはありません。

その後、琉球大学(理学部)に入学しましたが、大学に入ったら何とかなるだろうと私も息子が教科書を準備できないことを忘れていました。

琉球大学を卒業後、息子は医学部に進みたいと言い出したので、東京の予備校に一年間通わせました。東京では予備校の寮に入りました。寮の食事はきちんとしていると思いますが、たまには息抜きも必要だと思って、私が出張中に夕食を一緒に食べに行ったことがありました。

待ち合わせ場所に行くと、息子がパンパンのバッグを持ってやってきてびっくりしました。大きなバッグに教科書がたくさん入っていました。驚いて、「今日はたくさんの授業があるの?」と尋ねると、「いや、違うよ。でもやっぱり教科書を忘れるから全部持ってるんだ」と言いました。

ええっ!?今でも? と思いました。教科書を準備できないことは変わっていなかったのです。発達障害の子供の特徴がそのままでした。

しかし、それでも、息子は工夫し進化していました。分厚いバインダーがなくなり、代わりにiPadを持ち歩くようになりました。驚きです。すごいです。文明の利器をちゃんと使いこなしています。息子なりにできないことは工夫しているんだなと感心しました。

今は医者です。医学部の時も一生懸命勉強していましたが、教科書の準備ができたかどうかはちょっとわかりません。でももう親が心配することはありません。成長に伴って、できないことに対して工夫することが身についていました。

発達障害だから、教科書が準備できないから、できない、と決めつけるのではなく、できないことがあっても、それをそのままにせず、他の方法で対処する工夫を見つけることが大切だと思います。

日本の教育では、みんなと同じことができるようにならなければならないという雰囲気があります。日本人は特に皆と同じであることを重視しますが、自分が自分であること、他の人とは違うことが良いという考え方も大切です。

できないことがあっても、そのまま放っておかずに、自分なりの解決策を見つける力が身につくと思います。

ですから、小学校の低学年で、息子や娘ができないことでお悩みのお母様方もいらっしゃるかもしれませんが、大丈夫です。発達障害の子供たちは、ただ脳の発達が遅れているだけです。小学校1年生の場合、能力はおおよそ3歳児や4歳児ぐらいかな? 小学校6年生になると小学校2~3年生ぐらいの能力かな? と、引き算をしておおらかに見守ってください。

きっと、成長するとできるようになってくるので、大丈夫。

お知らせ

沖縄県宜野湾市「新垣形成外科」にて分子栄養学に基づいた栄養療法を行っております。遠方にお住いの方へは、ZOOMでの栄養カウンセリングを行っています。どうぞお気軽にお問い合わせください。

新垣形成外科

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