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発する言葉の先にあるものを掴む力

結婚式の打合せも佳境に入り、あとは本番を迎えるだけ・・・というタイミングでウエディングプランナーとして必ずすることがあります。打ち合わせしてきた数か月を思い出しながら「初期の頃に伝えてくれた、言葉にならない想い」を改めて見返し、丁寧に振り返る作業です。

まだ結婚式について具体的じゃなかった数か月前に新郎新婦さんからいただいたメール。想いのいっぱい詰まったカウンセリングシート。改めて初心に帰って心をまっさらにして読み直す。まるで答え合わせをするかのように、改めてこの結婚式がふたりのベストなのかを丁寧に、時に厳しく見直し、「内容を整え直す」のです

初めて会ったときにおっしゃっていたことがカタチになっているのを見て安心したり、このふたりにとびっきりの「おつかれさま」を伝えたくなったり。結婚式の本番前のウエディングプランナーはなんだかとても、いそがしい(タスクに追われているだけじゃなくて、気持ちもいそがしいんだ)

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このおふたりが何を言わんとしているのか

仕事をする上で最も大事にしていることの1つが「言葉から想像をする」ということ。書いてある言葉をそのまま飲み込むのではなく、どうしてそう発言したのか、どんな気持ちで書いたのかの背景まで予測する。

そしてそれはメールだったりカウンセリングシートの節々にちゃんと表れているから言葉はオモシロイのです。

「結婚式をしたいと思った理由は…」と「結婚式をしてもいいなと思った理由は…」は、全然意味が違う。

この言葉の後ろ側に隠れている、本音に気づけるかどうか。

自分の意思で結婚式をすると決めたのか、あるいは誰かに背中を押されてしぶしぶ行動に移しているのか。納得しているのか、少し迷っているのか。ふたりの意見がずれているのか、今日ここに至るまでに喧嘩とかしてないかな。つらいことはなかったかな、など。

「助けてほしい。でも、どうしたらいいかはわからない」というメッセージを想像してすくい取る。ふたりが発した言葉の先に想いを馳せる。ウエディングプランナー(直訳するとウエディングをプランする人!)だからと言って、あれこれぽんぽん、まるでアイディアマンのように次々と提案をするのはちょっと違う。大事なのは、ふたりの心の奥に見え隠れしている本音を引き出し、いかに気持ちを想像し、わかりやすく、やさしく代弁することなんだと思います。

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大げさにいうと「ほんとうの自分に気づかせてあげる」ということ。

私と話したことで、ふたりが真剣に生きてきた人生を改めて見つめ直して「これでよかったんだ」と心から思ってほしい。

(以下そんなことを思っていた時に書いていたツイート。一番最初にいただいたメールは自叙伝。これはいつも思っているよ)


あなたの言いたいことはきっとこういうことでしょう?と代弁する

「きっとこういうことを言いたかったんですよね」と悩みを代弁し、具体的な解決策を示すと、たまに打合せ中に泣き出してしまう新婦さんがいらっしゃいます。自分も自覚していなかった「わたし、こうしたかったんだ」という気持ちに触れたとき、わかってもらえたという安心感を覚えて、人は胸がいっぱいになって涙があふれてくるんだと思います。

泣かせてしまって悪かったな…とちょっぴり(!)思いながらも、涙を流せたふたりを見てすごく安心します。

よかった…!本音にたどり着けた、と。

決して泣かせたいわけではないんだけど(ほんとだよ。誤解なきよう)、涙を流してくれるほどの「わかってくれてうれしい」という胸いっぱいのキュン!を届けたい。

なんだかこう書いてると、彼女を喜ばせたくてあれこれ考えてデートプランを練る彼氏みたいです。私は女子だけど、仕事のときだけは男子なのかも。この仕事をしている時だけは、男子の気持ちがわかります。だから、彼女を見つめて、「彼女が喜ぶようにしてあげたいんです(たまに俺はなんでもいいっすって照れ隠しの言い方になる人もいるけどね)」とおっしゃる新郎さんの気持ちは痛いほどわかる。

ウエディングプランナーが新婦さんの気持ちを「わかるわかる!」と聞いているのってもしかして、「新郎さんの気持ちに共感」しているのかもしれないなぁ。だから実は新郎さんとウエディングプランナーって「新婦さんを喜ばせたい同盟」なのかも。

途中からだいぶ、話が逸れちゃいましたが(笑)

なかなかこの仕事やめられないです。楽しいです。みなさま良い年をお迎えください。

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