よもやその程度か!
ある日のお昼ご飯時。
いきなり子が
「ペットボトルって何でできてるか知ってる?」
と、ちょっとドヤ顔に近い顔をしながら、ワタシに挑戦を挑んできた。
「そんなもん、ポリエチレンテレフタレートに決まってるやん」
昔取った杵柄。
ワタシは鼻息荒く、子のドヤ顔を八倍くらいにしたドヤ顔で答えてやった。
高校時代、ワタシは化学が大好きだった。その中でも有機化学は学校のテストであれば満点をとれるくらい鍛えていた。パズルのような、クイズのような、解けたときの快感が一番あるのは化学だと今でも思っている。もうすっかり知識は抜け落ちてしまっているけれども…(涙
クイズ感と言えば数学もそうだろうけど、ワタシには数学的センスが無い。なので、いつも数学の問題を解くときには、力でゴリゴリと押していくスタイルを貫いていた。予備校の数学教師には「パワー系」とゴリラみたいな感じの扱いをされていたのはここだけの秘密。
花の女子高生に向かって、ゴリラはダメ。絶対。
と、話がそれた。
せっかくそんな話が出たので、勉強から遥か彼方にいらっしゃる子に、高校時代に仕入れた科学知識を披露することにしてみたワタシ。
「ポリって何か知ってる?」
「ポリエチレングリコールはよく聞くけどなぁ」
え?
ポリエチレングリコールってそんなによく聞く…?
おかあさんよくわからない。むしろ、ワタシの生活範囲内でポチエチレングリコールっていう単語を使う機会に恵まれることはなかったような?
むしろポリプロピレンの方がなじみ深くない?
アヤツが常日頃、好んで仕入れている情報は一体なんなのだろう?
こないだまでは「水曜どうでしょう」にハマっていたのは知ってるけど。
大泉洋とポリエチレングリコール…つながりは無さそうである。
まぁ、いいや。それはあっちに置いておくことにしよう。
「ポリは重合やで。いっぱいくっついてるってこと。だから、ポリエチレングリコールはエチレングリコールがぐおーーーってくっついてるんやで」
「へー」
「ペットボトルは、エチレンテレフタレートがだーーーっとくっついてるねん」
「ほー」
よし、ここからが本番!
「でな、ポリ袋っていうのは袋がびやーーっとめっちゃいっぱいくっついてるってことやで」
「なんでやねん!」
よし!!!(←
「高校の時、塾の先生がそう言うて教えてくれたんや。子よ、キミもこれで忘れへんやろ!ポリは重合!」
これ以上ないくらいのドヤ顔で教えてあげた情報は、子もかなりお気に召したようでケタケタとしばらくの間笑っていた。
そして、笑いが落ち着いたと同時に子が口にした言葉がコチラ
「じゃぁ、バケツがいっぱいあったら『ポリバケツ』やな」
(; ・`д・´) ナヌッ?!
思ってたより頭の回転早いやん?!
いつの間にそんな返しが出来るようになっていたのだ…?成長しているのは見た目だけじゃないのね…
嬉しくもアリ、寂しくもアリ。
そしてその時、それ以上にその他の『ポリ』を思いつけなかった悔しさを胸に、昔笑っていたしょうもないネタをもっと発掘せねば…とワタシはお茶を飲みながら、心に固く誓うのであった。
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