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僕は小学校低学年のころまで祖父母の家で祖父、祖母、父、母、姉、弟と僕を合わせた7人で暮…
みんな出かけてしまって誰もいないリビングに入った僕は、いつものようにローテーブルの上に…
「明日、雨、降らないかなあ……」 駅に向かう道すがら、真っ赤な夕焼けに照らされながら空…
どんよりと厚い雲の下、ねっとりとまとわりつくこの時期独特の水分と生臭さをたっぷりと含ん…
ある日、駅に向かって歩いている僕の視線の先にバナナが落ちていた。 今まで大根やネギな…
小高い丘の上にある大きなお屋敷は僕の大好きな彼女の家。 でも、彼女がその家に住んでいたの…
あと三日。 三日後の手術さえ無事に終われば僕たちの幸せな生活がこの手の中に帰ってくる。 ”あの凄惨な事故から十年が経ちました。豪華客船スプレ号が……” アナウンサーの言葉を最後まで聞き終わる前に僕はニュースの通信を切った。毎年この日に流される、誰もが知っているスプレ号の事故。今年は十年目ということで例年以上に取り上げられていてどこもかしこもこの話題で溢れかえっている。 しかし今の僕はこの世界に存在する全ての暗い出来事から距離をとっておきたい。悪いことに触れる時間
中学3年生の夏。 マンションの屋上に座り、欠けていく月を見上げながら僕は願った。 …
今夜が峠だろうか。 僕は目を閉じてベッドに横たわる彼女を見下ろしながらそう思った。 …
最近、彼女が僕のことを避けようとしているような気がする。 彼女と僕はもう長いこと一緒…
風など吹いていないのに僕の目の前のソレがゆらゆらと揺れているのは、ぶら下がる瞬間にかか…
「ねえ、この姿に変わること出来る?」 雨がしとしとと降る薄汚れた路地裏。僕は破れたズボ…
私たちの住む町からは大きな山が見える。 子供の頃、遠足で登ったあの山から見た町の景色…
明日、僕たちのクラス6年1組の大山直美が追放されることに決まった。 「もう無理だ。我慢できないよ」 昨日の放課後、担任の菊池先生と大山直美が出て行った後のざわついた教室。ミコトが小さな声でそう呟いた瞬間、教室の時間が止まった。 皆の動きが一斉にピタリと止まり、囁き声ひとつ無いシンと静まり返った教室の中。僕たちは廊下を遠ざかって行った足音がまた戻ってこないかとひやひやしながら、二人が出て行った教室のドアを固唾をのんで見守った。 「おいミコト、お前本気で言ってるのか?