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オリジナルタロット絵解説

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タロットカードの解説や、カードの理解などをまとめています。
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#タロットカードリーディング

15. THE DEVIL / オリジナルタロットカード解説

オリジナルタロット版のカードに込めた物語『風船あげるよ』 「ぎゃー」 何やら声が聞こえてくる。声の方に視線を送ると、風船を受け取った人がどこかに飛ばされている様子が見えた。 『ほら、君にもあげる。楽になるよ』 風船を配っていた着ぐるみが声をかけてきた。 「・・・楽になるって・・・なに・・?」 『もう先に無理して進まなくていいんだよ。楽になれるよ、戻れるよ』 差し出された悪魔の風船。 ためらいながらも愚者は受け取ってしまいました。 タロットカードにおける『悪魔

16. THE TOWER / オリジナルタロットカード解説

オリジナルタロット版のカードに込めた物語苦しみから逃げ出した愚者。 先に進めなくてもいいや、逃げてばかりでもいいや、どこまでも逃げていこう。いつか楽になるだろうし、それでいいや。 そんな気持ちにぶら下がるようにつかんだ風船。 ふわふわと甘い空気の中を進んでいく。 しばらくすると、誰かの声が聞こえてきた。 『いや、ダメだよ』 激しく厳しい声がする。 声の主はどこだろう。 けれども愚者は振り返る間がなかった。 切り裂かれるような衝撃と共に、つかんでいた風船が激しい破

14. TEMPERANCE / オリジナルタロットカード解説

オリジナルタロット版のカードに込めた物語再び歩き出した愚者。休んだからか不思議と心も軽い、今なら何でもできそうな気がしていた。もう大丈夫かもしれない、そんなことを考えながら歩いていたら声をかけられた。 『おにーさん、バランスわるいね』 声の方を向くとシーソーで遊んでいる子がこちらをじっと見つめていた。 「なんだよ」 『だってバランス悪いじゃん』 「何のバランスが悪いんだよ。」 『まだ傾いてるもん、自分で立ってないじゃん』 その言葉に愚者は一気に苦しくなった。

13. DEATH / オリジナルタロットカード解説

オリジナルタロット版のカードに込めた物語日が傾いてきた。 明かりをともすには少し早い夕暮れ、少し先に人影が見えた。 『ここだ、ここ』 『ここだな、ここだ』 死神が立て札を立てている。 その姿をみて、愚者はさっき出逢った吊るされた男を咄嗟におもった。 「あの・・・もしかしてあの男の人しんじゃったの・・・?」 『誰の事?今日はもうリストに誰も載ってないけど』 愚者はほっとした。 「じゃあ何してるの?」 『お前、ここ通るだろ?立て看板だよ』 そういうと立て看板をポ

12. THE HANGED MAN / オリジナルタロットカード解説

オリジナルタロット版のカードに込めた物語丘の上に木が見える。 その木の枝に何かぶら下がっているのが気になって、愚者は近寄って声をかけてみることにした。 「こんにちは、何してるの?」 『答えを待ってるんだよ』 「答えってなんの?」 『私が知りたい答えだよ』 男はさかさまにぶら下がり、足首に巻かれた紐からは血が滲(にじ)んている。痛そうだけれど、男は気にもせずひたすら何かを考えている様子だった。 「何をしりたいの?」 『ふむ。私は愛する人がいるんだけどね、その人が

07:THE CHARIOT/ オリジナルタロットカード解説

オリジナルタロット版のカードに込めた物語僕がかつて憧れたお兄さん。 自分の力で道を切り開き、目的達成のために突き進んでいく。 彼の前には光り輝く道があり、どんな困難も吹き飛ばしてしまう力が溢れていた。 軽やかに素早く突き進む。 僕もああなりたい。 憧れの騎士だ。 カード『戦車』の意味タロットカード本来の意味に加えて、私版のオリジナルタロットの解釈も載せています。広義では同じ意味ですので、どちらを採用してもらっても構いません。ピンときたものを受け取ってください。 タロ

03 : THE EMPRESS / オリジナルタロットカード解説

オリジナルタロット版のカードに込めた物語自分を深く知るために飛び込んだ自分の中。 ふと思い出すのは母の顔。 あの美しい人に愛してほしかった。 自分をもっと見てほしかった。 愛してほしくて差し出し続けた僕の愛、僕が望むような反応を示してくれず、ずっとずっと不安だった。 あの美しい人は僕の母。色んな人に愛されて幸せそうでいつもあったかい。誰に対しても平等に愛を注いでくれる。 それでも僕は彼女の特別でありたかった。 僕は彼女に愛されていると感じていたかっただけなんだ。 カー

00:Fool / オリジナルタロットカード解説

オリジナルタロット版のカードに込めた物語愛されたい気持ちが強い愚者は、色んな人に愛を与え続けた。 そうすることで、自分が愛されると愚者は信じていた。 けれど現実はそんなことなど全くなくて、誰も理想通り愛してくれない。 与えれば与えるほど期待は膨らみ、やがて愛が枯渇していった。 彼を愛する人が彼に言う 「自分を大事にした方がいいよ」 愚者はその言葉にいら立ち、腹が立ってしかたなかった。 だって彼は自分を愛しているつもりだったから。 愛してくれない他人にいら立ち、誰も判って