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14. TEMPERANCE / オリジナルタロットカード解説


オリジナルタロット版のカードに込めた物語

再び歩き出した愚者。休んだからか不思議と心も軽い、今なら何でもできそうな気がしていた。もう大丈夫かもしれない、そんなことを考えながら歩いていたら声をかけられた。

『おにーさん、バランスわるいね』

声の方を向くとシーソーで遊んでいる子がこちらをじっと見つめていた。

「なんだよ」

『だってバランス悪いじゃん』

「何のバランスが悪いんだよ。」

『まだ傾いてるもん、自分で立ってないじゃん』

その言葉に愚者は一気に苦しくなった。
そこをつつかないで欲しい。触れられると逃げたくなるし、痛くて仕方ない。僕は自分の足で立てるようになったのに、まだそんな風に言われるの?

さっきまで明るかったのに、一気に暗い気持ちになってしまった愚者は、
苦しくなって動けなくなってしまった。

タロットカードにおける『節制』の意味

タロットカード本来の意味に加えて、私版のオリジナルタロットの解釈も載せています。広義では同じ意味ですので、どちらを採用してもらっても構いません。ピンときたものを受け取ってください。

タロットカード本来の『節制』の意味

正位置の意味
調和、自制、節度、献身、謙虚、低姿勢、平常心無限大、フェア、公平、平等、正当。
逆位置の意味
浪費、消耗、生活の乱れ、不規則な生活、アンフェア、不公平、不平等、不正。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

オリジナルタロット版『節制』の意味

正位置の意味
心のバランスがとれる、トラウマの克服、自立
逆位置の意味
心のバランスが崩れる、過去の傷がうずく、トラウマから逃げる

これは私独自の解釈なので少し飛躍してる部分があります。

愚者が『自分を知ろう』と自分と向き合うことを決め、自分の中に飛び込んでいく旅です。その旅路の途中で、色んなことを思い出してきた愚者、それらを内包するように色んなものが計らいとして表れ始めます。次に現れたのは『シーソーをする子ども』でした。

シーソーはバランスが取れていないと楽しめない遊具です。片方だけに腰かけただけでは遊べず、もう片方に誰かがいてくれないと遊べません。
そしてお互いにバランスを取ることで、楽しく遊べる遊具となります。

私は節制は『心のバランス』だと考えています。
心のバランスが崩れたときに苦しみが訪れると思います。その崩れる切欠というのは、他者から向けられる何気ない一言だったりしますよね。
相手は何の気なしに投げかけた言葉だったとしても、受け手にとっては苦しみを生む言葉だったりします。

その苦しみは、過去の傷が癒えていないから触れられると痛かったりするもので、言われてもなんとも無かったら傷つきもしないし、そもそもその言葉を受け取ることもないんです。
傷があるままだとちょっとしたことで心のバランスは崩れます。

それを崩さないためには自分で癒すしかないのですが、愚者はここまで沢山自分の傷を癒してきたと考えていました。
だからこそ先に進めると元気になってたんですが、まだまだ癒えてない傷があったんですね。

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2024年4月5日
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