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キャリア教育はいつから始めるのか

どう生きたいかを問うキャリアコンサルタントの新井香奈です
「私がキャリアコンサルタントになったわけ⑤」に進む前に、ちょっと小休止しようかなと思います
(いやいや、早く、先が知りたいよ!と言ってもらえると、それはそれで嬉しい) 

キャリア教育って何?

キャリア教育=職業体験と思われる方が多いかと思います
実際に、文科省の中で「キャリア教育」という言葉が使われ始めたのは平成11年ですので、昭和生まれの方々は、学校生活の中で「キャリア教育」という言葉や、それに基づいたカリキュラムに触れたことはほとんどないかと思います

平成生まれの方々は、中学生の時に、近くのスーパーや介護施設、保育園などに「職業体験に行ったよー」という方もいらっしゃると思います

現在は、平成23年の中央教育審議会において定義された「一人一人の社会的・職業的自立に向け,必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して,キャリア発達を促す教育」
と、されて、学習指導要領の中にも小・中・高・大とステップ的に指針が示されていますし、「キャリア手帳」を使った教育も行われています

定義の中にも「キャリア」って出てくるやーん!じゃあ、「キャリアって?」と思う方も多いかと思いますが、それはそれで、また日々発信していくとして、つまり、「キャリア教育」は、学校の中での生活や学び全てにおいて繰り広げられている。と思っていただいていいかなと思います

私の子どもが小2の時に、生活科の授業で、「近所の公園を誰が綺麗にしているのか、自分たちに何ができるのか。」というテーマで、公園を管理している行政や、清掃活動をしている町内会の方など、「仕事」で関わる人、「ボランティアやライフワーク」として関わる人など関わりを持ち、話を聞いたり、実際に清掃活動を町内会の人たちとしたりして、「公園の維持管理」ということを、小学2年生なりに理解できる形で、学びを深めていましたが、まさに、これもキャリア教育の一環です
担任の先生は30歳手前のまだまだ若い先生でしたが、私が「まさに、この学びはキャリア教育ですね」と話をしたところ、「わかってくれますか?そうなんです!お母様にこうやって気づけていただけると、子どもたちの学びがより深くなります!」とやや興奮気味にお話しされたほどでした。
それほど、先生も「キャリア教育」を意識されていたのでしょう

ここまで、学校教育の中での「キャリア教育」について、お話をしましたが、キャリア教育のゴールを、「社会的・職業的自立」とするならば私は家庭内での子育て、教育も全て「キャリア教育」だと思っています

子どもは、幼心に、家族との関わりの中で、自分という存在は「家族の中の一人」である。という意識を持ちます
家族は社会の最小単位ですので、まさにこれが社会との関わり、すなわち、社会人として歩み始める第1歩だと思うのです

家庭内でのキャリア教育は、自我が出て、自分のことを自分ででき始める、そして多くの子どもが「自分」と「親や兄弟」との関わりを感じ始める「3歳」という年齢が、「キャリア教育」を始める最初だろうと思います

4歳くらいになると、自分のこと以外に、家族やお友達、すなわち他者を認識し、「自分と、お友達は違う人間なんだ。」と認識するようになります
5歳くらいでは、お友達と協力して、何かをする。そのために自分は何ができるのか、お友達とどのように関われば良いのか。がわかるようになります

社会人になって、仕事を進めていく時、自分とは異なる人と、ある目的に向かってそれぞれが力を発揮して進んでいくための能力は、実は幼少期の頃から備え始め、成長とともに様々な経験をし、成功したり、失敗したりを繰り返し、自己肯定感が育ち、自己効力感となり、主体性が生まれていきます

力を備え始める時、そして、経験を蓄積する時に、親や周りの大人の関わり、声かけ、環境設定などによって、どれだけの力が備わっていくのかに差が生まれてくると言えるのです

「この子が、どんな社会においても、生き抜く力を持って欲しい」と願い、子どもと関われば、「一人の人として、よくなりたい」と子どもが元来持っている力を相まって、一人の人として、幸福度の高い人生を送ることができるようになると思っています

「家庭におけるキャリア教育」についても、また、こちらで書き綴っていきたいと思います


最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました




防衛大学校卒、元海上自衛官。その後ベンチャー、スタートアップ経験、経営経験、NPO立ち上げ経験、現在はフリーのキャリアコンサルタントとNPO事務局長の2足の草鞋を履く異色のキャリアコンサルタントです。「生きたいように生きる」がモットー!