見出し画像

飲食業とウイルスの関係をアップデートする。


No more Coronashock.

飲食店の経営をサポートするコンサルタントとして、今回のようなことがもう二度と起こらないよう、願わずにいられません。


売上が下がり始めた1月末から、もうすでに4ヶ月。長すぎるダメージから回復できない飲食店が本格的に出て来るのは今からです。

飲食店はもちろん、業界団体や関係省庁は「飲食業界のコロナショックは今から始まる」という認識を持つべきだと私は考えます。

第二波、第三波の危険性もあり、今のような状況が再び起こればさらに壊滅的です。感染者数が少し落ち着き始めた今の間に、飲食店とウイルスの関係を整理して、次の危機に備えておくことが重要です。

皆さまにもあると思いますが、
初めて二人で行ったお店、人生の節目の思い出のお店、日常生活から解放されて家族で笑い合えたお店、大きな仕事をやり遂げて仲間と行ったお店、いつか行きたい憧れのお店。。。
そういったお店がどんどん無くなっていくとしたら・・・
どう考えても損失です。
上記のようなことが不要不急であるならば、人生とは何なのか!

すみません、感情は出来るだけ抑えるようにします。


とにかく、今のような状況を二度と繰り返さない為に、数回にわたるシリーズを書いてみます。


第一回(今回)は、「根本的な解決策」についての仮説を立てます。
第二回(次回)は、新型コロナウイルスの基礎情報を整理します。
第三回以降は、具体的な現場対策をレポートしていきます。


第一回 「根本的な解決策」についての仮説

どうしてもやるべきなのが、国、自治体、業界、一般市民をも含めて「根本的な解決策についての共通認識」を持つことです。
ウイルスによる飲食業界の危機が起きたときの、根本的な解決策について、私の仮説は以下です。


【根本的な解決策の仮説】

①ワクチンが作られること
②治療方法が確立されること
③飲食店内の「安心・安全」を早期に築き上げること

①②が必要なのは明らかだとして、
**私が主張したいのは③の重要性です。 **

ウイルスは形を変える性質がある上に、ワクチンや治療法が出来るまでにはどうしても時間が掛かります。待っている間に今回のような大きなダメージを受けます。

ですので、③が重要です。ウイルス問題が起きた際に、国・自治体・専門機関・飲食業界・メディア・市民で協力して早急に「安心、安全」の共通認識を作り上げる文化を整えておくべきです。


③飲食店内の「安心・安全」を早期に築き上げること。

少し詳しく③の仮説を説明します。

「安心と安全は違う」とよく言われます。
私が言う「安全」とは、技術的・数値的に感染症のリスクが低い状態を作り上げることです。

一方で「安心」とは飲食店を利用する消費者の「気持ちの問題」です。

飲食店舗内の「安全」を技術的に確保して、その安全を根拠にして消費者の「安心」を生み出す努力を社会全体で行うことが、ウイルスと飲食店のこらからの関係性になるのではないでしょうか。

私は、飲食店の店内を一般家庭の住居内よりも感染リスクが低い状態にすることは、今の技術を持ってすれば可能性があると思っています。それが出来るとすれば、外食を自粛する必要性はぐんと下がります。
「どうすればそのような状態を作ることが出来るのか?」
「経済活動を止めなくても感染リスクを減らす方法はあるか」
社会全体で考えていくべきです。

例えば、
北海道大学が「30秒以内に新型コロナウイルスを不活化する」と発表した次亜塩素酸水や、大阪大学が「新型コロナウイルスを死滅させる」と発表した要時生成型二酸化塩素水溶液など、抗ウイルスに効果があると分かった技術があります。
とても希望を持てる発表だと思いますが、このような「安全」に関わる研究データの発表が、すぐさま消費者の「安心」には直結していないのが現状です。
その技術を飲食店舗内でどのように使えば、どのような効果が得られるのかを、社会全体で早期に共有していく体制を整えておきたい、そのように私は強く思っております。

他人の行いに批判的なことは言いたくないですが、今回のコロナショックで一つ苦言を呈したいのは、テレビメディアを中心に、経済活動の早期回復の為に「安心・安全」をいかに醸成していくべきかという議論がほとんど為されず、逆に不安を煽る報道が目立ちすぎていたことです。優秀な取材能力を持つと思われるテレビメディアの人たちが、「安心・安全をいかにつくるか」に焦点を合わせて取材・報道すると、全く違うスピードで、感染防止と経済活動の良好な関係性が生まれるのではないでしょうか。今からでもそのように舵を切って頂くことを切に願います。

それを期待しながら、私は先ず、自分が出来ることを始めていきます。

このシリーズを通して、飲食店とウイルスに関する「安心・安全」は、どうすれば創り出せるのか、迫ってみたいと思います。


次回以降は以下のことを書く予定です。

第二回(次回) 新型コロナウイルス「基礎知識」のおさらい
第三回以降  飲食店舗内の「ウイルス対策現場レポート」

第二回(次回)基礎知識のおさらいは、ネットレベルで私が得られる情報を元にして、ある程度納得できるまでコロナウイルスそのものについて整理する予定です。ごく一般的な整理になると思いますが、その整理が出来ていないことで「不安だけが先行する」ケースが見受けられると思っています。

第三回以降 ウイルス対策現場レポートは、実際に店内空間を「安心・安全」に近づける為の様々な技術的な試みを、立ち会ってレポートします。具体的な取組の中から、「これはある程度安全だよね、みんなが知れば安心するよね」という共通認識を生むことが出来れば、根本的な解決に近づくと考えています。いくつかの対策現場をレポートする予定です。

自分個人の力不足を嫌というほど認識していますので、共感してくれる専門家さんや、事業者さんがいれば、情報提供・間違いの指摘など、ご協力を頂ければ幸いです。

また、ご共感頂ければぜひ拡散をお願いします。どこまでのことが出来るか分かりませんが、皆で考えていければと思っております。ご指導ご鞭撻(もちろん応援も)宜しくお願いします!


【今回の記事のまとめ】

◆4ヶ月の累積ダメージを耐え切れなくなる飲食店が出て来るのはこれから!「コロナショックはこれから始まる」!

◆No more Coronashock!
繰り返さない為には根本的な解決策に対する共通認識を作っておくべき!

◆ウイルス問題を解決する根本的な解決策は以下の3つ(仮説)
①ワクチンが作られること
②治療方法が確立されること
③飲食店内の「安心・安全」を早期に築き上げること

◆早期対策は③が重要なキーになる!今のうちに社会全体で体制作りを!


以上、次回に続きます。

画像1

絵:naho miyashita/soretona

※当シリーズにつきまして
初回掲載当初から状況も変化し、専門家等の発信による詳細な情報が多く出てきていることから一旦、シリーズの掲載を休止しております。
2020年9月14日 荒井静雄

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?