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『推し、燃ゆ。』を読んで。



推しが目の前から消える日。
それは、ファンが1番恐れていること。

脱退。引退。卒業。そして、今回のテーマである炎上によるもの。
推しが表舞台から姿を消す理由は多種多様だ。

声優であれ、アイドル、芸能人であれ、YouTuberであれ。何でも表舞台に居る者は、常に炎上と隣り合わせだ。

最近では、「誰でも」「気軽に」発信できるSNSコンテンツが流行している。
それが、炎上を簡単に引き起こし、増長させ、風化させないことに繋がっていると私は思う。

主人公のあかりは、推しの上野真幸に対しての熱が半端ない。
傍から見れば、私も同類だろう。
だからこそ、周りが見れない、他のことを疎かにしている面もある。
気持ちは分かる。世界にどっぷりと浸れば推しと自分しか世界に居ないような感覚に陥るのだ。

なので、炎上した時なにも出来なくなったのではないか。

私が推しを推すとき、心がけているのは『推しに恥じない人であること。』だ。

推しのファンは推しを表す。
ファン層が低い、つまり民度が低いと、推しが『その程度』と思われてしまうかもしれない。それだけは避けたい。

あかりは、推しが炎上して心中かなり穏やかではない。
心の中で取り乱しているのではないか。
当たり前だ。
好きを通り越して崇高している推しが炎上したのだから。

就活は疎かになり、バイトの無断欠勤。留年の危機。

かなり入れ込んでいたのだろう。
大好きだった。大好きで崇拝していた推しだったのだろう。

作中で、推しの上野が自分の事を「なんか」と言い、自分を低くするシーンがある。

これは私の願望だが、推しは、表舞台から完全に消えるまで堂々としていてほしい。

私が好きになった姿で消えてほしい。

推しが、俳優が一般人になる過程を見たくないのだ。

推しは、推した時の推しのまま、私の中で生き続ける。堂々と、かっこよく、美しく。

炎上は、引退は、いつしてしまうかわからない。

それまでは、1人のファンとして夢を見たい。

どうか、夢を魅せてほしい。

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