牧歌的だった日本の出版システム
確かに、かつてのようにモノが不足している状況であれば、ひたすらに「量的な向上」を目指すというオールドタイプの行動様式は、時代の要請と整合していたかもしれません。しかし、現在のようにモノが過剰に溢れている状態で、ひたすらに「量的な向上」を目指せば、すでに過剰にあるモノを次々にゴミにしていくしかありません。
この本をレコメンドされて、kindleでさっそく読んでいる。
上に書かれている「量的な向上」
というのが、いわゆる街の書店が苦しい理由のひとつではないだろうか。
そう、取次による配本制度を利用した悪循環の結果。
1.棚を埋めるだけのためにつくられたような粗悪乱造な本が並ぶ。
本当は、その本の可能性をマーケットに縛られないために、一度書店に流通させるという、性善説にも似た仕組みによる、牧歌的な日本における出版文化は、粗悪乱造を生み出す装置になってしまった。
コンマリのような断捨離の本が売れるのは、ちょっとした皮肉かなと。
牧歌的なというか、日本語という参入障壁というか、ちょっと再販制度というものに甘えすぎて「何をパブリッシュすべきか?」という本質が抜けてしまったんですね。
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