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おんがくのおしえかた 11

ピアノという楽器

私は4歳の頃からピアノをやっておりましたが、実は結構サボり気味で、言うほど真面目にやっていたわけではありませんでした。その証拠に、私のピアノのグレード(ヤマハ)は、8級。8級といえば、今だと小学2年生でも取れてしまう級です。正直、級制度にさほど興味が無かったというのはあります。ただ、弾きたい曲が弾きたかった。ただそれだけで、中学になった頃には自分で弾きたい楽譜を持ち込み「これをやりたい」と先生に言って困らせました。貴方のレベルではこれは難しいよ、と言われましたが、必死になって弾きました。好きな曲だったから。その結果、級は無関係に難しい曲が弾けるようになりました。そのかわり、興味が無い曲はてんでダメで、正確には「ピアノが弾ける」ではなくて「その曲なら弾ける」になっていました。

私がピアノについて深く考えるようになったのは高校生の時。杉本先生という…、当時御年74歳の…おじいちゃんでした。片田舎の音楽教室で、仮にも音大受験のためのピアノと楽典を習いたいとなった時、それに対応しうる先生がその杉本先生しかいなかった、というのが現状のようですが、その杉本先生は今思うと大変興味深い指導方法をしていました。私が男子だったということもあり、その後のピアノに関する世界観が変わるような指導をしてくれました。

全てを修正された

一応、ピアノグレード4級程度の曲ならなんとか弾けるくらいの腕前になっていましたが、先生の前で弾いた日のうちに「ピアノの弾き方を間違えているので、修正しよう」と言われました。最初、何のことを言っているかわかりませんでした。先生曰く「ピアノは指で弾くんじゃなく、腕で弾くんだよ」

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