今日の科学 7月21日 スペースシャトル引退
2011年7月21日は、アメリカのスペースシャトルが引退した日です。
最後のミッションを担ったスペースシャトル「アトランティス号」が、国際宇宙ステーションからフロリダ州のケネディ宇宙センターに帰還しました。この日から10年ほど、アメリカは宇宙飛行士の輸送手段がなくなりました。
スペースシャトルは1981年4月1日にコロンビア号がケネディ宇宙センターから打ち上げられて以来、宇宙開発を支えてきました。カプセル型をしていたそれまでの宇宙船とは違い、翼を持ったスペースプレーン型の宇宙船で、再使用によってコストを抑える目論見でした。
スペースシャトルは最大7人搭乗できるために、宇宙飛行士の間口を広げ、アメリカ以外の国の人たちも宇宙に行けるようになりました。日本はNASDAが日本人宇宙飛行士の募集・養成をおこない、1992年には毛利衛さんが日本人宇宙飛行士として初めてスペーシャトルで宇宙に行きました。
スペースシャトルは、滑空試験用につくられたエンタープライズを含め、6機が製造され、30年間で合計135回のフライトを重ね、300名以上の人たちを宇宙に運びました。でも、その中で2回の大きな事故を起こし、14名の命を失っています。
NASAはそれぞれの事故の後に、詳しい事故原因の究明と、安全対策を実施しましたが、それらの対策二によって、当初考えていたよりも運用費がかさんでしまいました。そのため、国際宇宙ステーションを完成させるアトランティスのフライトを最後に、引退することとなったのです。
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