今日の科学 8月14日 化学者リヒャルト・エルンストが生まれた日
1933年8月14日は、スイスの化学者リヒャルト・ロベルト・エルンストが生まれた日です。
エルンストは、分子の構造を調べる核磁気共鳴分光法(NMR)を高性能化したフーリエ変換型高分解能NMR(FT-NMR)や二次元NMR測定法を開発しました。
NMRはタンパク質などの有機分子の構造を調べるために欠かすことのできない分析法です。しかし、初期のNMRは感度が弱く、分析に時間かかっていました。エルンストはその欠点を解決するために、FT-NMRを開発しました。その結果、NMRの感度が飛躍的に高まり、自然界にほんの少ししか存在しない炭素13などの元素が含まれているかどうかもわかるようになったのです。
エルンストはさらに2次元NMRを開発し、分子内の化学結合をより詳しく調べることを可能にしました。これらの功績が評価され、エルンストは1991年にノーベル化学賞を受賞しました。NMRの技術は人体の分正にも応用され、1970年代に人体の断層画像を得るMRI(核磁気共鳴画像化法)が開発され、健康診断などで、たくさんの人たちが利用しています。
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