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今日の科学 6月4日

1889年6月4日は、ドイツ生まれの地震学者ベノー・グーテンベルクが生まれた日です。彼は地震波を分析し、地球の内部構造に関して大きな発見をし、地震活動の研究でも大きな業績を残しています。

地球は半径約6400mの惑星です。地面の下がどのようになっているのかを、私たちはと直接見ることはできませんが、地震波の伝わり方によって調べてきました。地震波には比較的早く伝わるP波と、その後に続くS波の存在が知られています。

地球は岩石が主成分ですが、中心部分は鉄などの金属を主成分とするコアがあります。グーテンベルクはS波とP波の伝わり方の違いを分析し、地表から2900mの深さのところにマントルとコアの境界があることを発見しました。その境界は「グーテンベルク不連続面」と呼ばれています。

ユダヤ人のグーテンベルクは、1930年にナチスの発言力が強くなってきたドイツを離れ、アメリカ・カリフォルニア州に移り住み、カリフォルニア工科大学の教授になりました。そこで、同僚のチャールズ・リヒターとともに、地震の大きさを表す指標として、マグニチュードを開発しました。

マグニチュードが開発されたことで、地震の大きさと頻度を記録できるようになりました。そして、たくさんの地震が記録されるうちに、マグニチュードの大きな地震は、小さな地震よりも発生する数が少ないことがわかってきます。

そして、マグニチュードの数字が1つ大きくなると地震の数が10分の1になり、2つ大きくなると100分の1になるというグーテンベルク・リヒター則も発見されました。ベノー・グーテンベルクの残した業績は、現代の地球科学や地震学に大きな影響を与えています。

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